内容説明
母親も手を焼いた「はみ出し少年」が、感性のおもむくままにたどった落ちこぼれの半生の末、ついに世界的数学者になるまでの感動物語。
目次
1 授業についていけなくても数学者になれる
2 究めないのにマスターになる
3 「大変有名な」ハラリー教授の研究員に
4 水を得たサカナのように
5 だれでも数学が理解できる
付(数学教育にコペルニクス的転回を―現代数学教育批判;離散数学とは何か―新しい数学の世界への招待)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
フク
79
再読。数学者である秋山先生の半生が描かれている。どんなに屈辱的な出来事があろうとも、決して夢をあきらめない生き方に感動する!本書の最後に若者や大人たちへのメッセージが紹介してあるのだが、これがもうたまらなくいい!『努力によって不可能が可能になったとき、そこには何ものにも代えがたい喜びがある。人間はそういう感動を求めて生きている。』2016/12/11
猫丸
13
ゆえあって再読。まず本書の効用はサボり気味の高校生に一躍奮起を促す(かもしれない)点にある。努力はたいてい裏切られ、正義が勝つとは限らない。しかしジリジリと進んでいくと、いつの間にか遠くに来ている。寝食を忘れて勉強すれば、いくら才能がなくてもゆっくりと成長する。これが長期スパンで大差となるのだ。これは事実なんだよなあ。まあ不都合な事実としては、無鉄砲な努力もある程度余裕をもった環境が前提となるっていうのもあるけれど。ただ、数学は道具も要らないし、時間をかければ誰でもマスター可能なのは確かだろう。2021/01/29
かりぐ
0
印象に最も残ったのは、ミシガン大学のハラリー先生のもとで研究生をやっていた時のことに関する記述。"Another day, another paper"の言葉は発奮させられた。読むことで限界を超えて研究をする覚悟を固めることができた。2010/02/01