内容説明
江戸時代から「伊勢屋・稲荷に犬の糞」とどこにでもあるものの代名詞として謳われ、いまでも日本中にあるお稲荷さん。しかし、そもそもなぜ稲荷は日本中に存在するのか?なぜ稲荷と言えば狐なのか?そして稲荷は何を祀っているのか?古代エジプトからインド、そして中国から新羅、日本。時間と空間を超え、稲荷信仰の謎に迫る。
目次
第1章 日本の狐とは何か
第2章 神道系稲荷 伏見稲荷の構造
第3章 土地神様としての稲荷
第4章 仏教系稲荷 ダキニを祀る理由
第5章 狐の役割
第6章 稲荷縁起の謎
著者等紹介
松村潔[マツムラキヨシ]
1953年生まれ。西欧神秘哲学研究家。スーフィズム、カバラなどに詳しい。スーフィのエニアグラムと、禅の十牛図は同根の体系であるなど、異体系の共通点を見いだし、そこから現代的な発展性を考えるということに主眼をおいた活動をしている。仏教の曼陀羅や十牛図を絵に描いてもらい分析する絵画手法やタロットカードを使ったアイデア創出法などの講座を主宰している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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烟々羅
19
じつは「スピ」ジャンルな読友さんのなかにひとり、元妻と飲み友達なのにあとで気づいた人がいる。そろそろバレそうだ。 松村潔氏は元妻が私淑している、占星をもともとの専門としてカバラ・タロットにも多くの著作をもつオカルティストだ。まだ結婚している頃に松村氏の著作で、東京を占星ホロスコープに見立てて皇居を中心としたどの角度になにがあるかを分析した新刊を見せてもらったことがある。東京を歩いていると稲荷に当たることは多いので、この本も同じメソッドでの観光案内に近い本かと思い手にとった。違った。 (コメント2つ続く2013/07/25
臓物ちゃん
10
あ…ありのまま今起こった事を話すぜ!『お稲荷さまの話だったのがいつの間にかカバラ主義の話になっていた』な…何を言ってるのかわからねーと思うが読んだ俺も何をされたのかわからなかった…理論の飛躍だとか脱線だとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。オカルトの踏み込んではいけない領域の片鱗を味わったぜ…2014/08/14
袖崎いたる
9
松村潔の名前はチラホラ聞こえていたものの、今まで手に取らないでいたのは、その本たちの値段と、図書館にはなかなか見つからないでいたからだ。これを読むと、うーん、なんだろ、鏡リュウジのもっと思想思想してる感じ。中沢新一はいいにしてもフッサールとかラカンまで名を挙げる。ラカンにいたってはボソッと呟くように登場させるのは笑った。ざっくり言うと連想ゲームのねちっこいやつで、それでいて細々としたやつ。読むと近所の稲荷神社に通う習慣ができるんじゃないかな。俺は行くよ?2022/03/01
邑尾端子
8
タイトルから民俗学の本だと思って取り寄せ→著者のスピリチュアルでオカルティックな経歴にびびりつつ読み始める→意外と学術的で、民間信仰に関する、柳田国男や折口信夫の流れを踏襲するような考察もある。思ったよりマトモな本かも→あれ???????→やっぱり著者の経歴から受ける印象通りの本だった2015/08/05
Mentyu
6
大学の図書館で民俗学コーナーに置く本ではないな…。と感じてしまった一冊。最初は本格的な稲荷信仰や民俗学の話だったのに、途中から筆者の心霊体験だとか、タロットカードなどスピリチュアルな内容になっていった。古代エジプトのアヌビスと繋がるといった内容はエジプト好きとしては嬉しいけれど、やはり内容が飛躍を重ねて偏っている分、信憑性が薄く感じてしまう。最後に、さすがに稲荷信仰をハワイの宗教概念と同一化してしまうのはやりすぎかなと思った。2012/09/09