講談社現代新書<br> 「しきり」の文化論

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講談社現代新書
「しきり」の文化論

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  • サイズ 新書判/ページ数 280p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784061497191
  • NDC分類 361.5
  • Cコード C0220

出版社内容情報

日本の「しきり」が「世間」を生んだ! 人間の意識、思考に大きな影響を与える「しきり」を様々な視点から読み直す。人と「しきり」の関係に迫る刺激的論考! 自己と他者・ウチと外・聖と俗・日常と非日常・私と公。いずれも「しきられた」両方の世界を表す言葉である。「しきり」をキーワードに文化・社会を読み解く。(講談社現代新書)

第1章 しきるということ
 1――自己と非自己/アイデンティティ
 2――自己と他者
 3――しきるという思考
 4――空間的しきりと時間的しきり
 5――社会的しきり
第2章 しきられる世界
 1――聖と俗
 2――日常と非日常
 3――集団によるしきり
第3章 生活の中のしきり
 1――住まいのしきり(遮断)の装置
 2――汚れのしきり
 3――私用と共用によるしきり
第4章 しきりの提案
 1――ミース・ファン・デル・ローエによるしきり
 2――中廊下式間取りの提案
 3――50、60年代のモダンリビングの提案
 4――オフィス空間


柏木 博[カシワギ ヒロシ]
著・文・その他

内容説明

人間の意識、思考に大きな影響を与える「しきり」を様々な視点から読み直す。

目次

第1章 しきるということ(自己と非自己/アイデンティティ;自己と他者 ほか)
第2章 しきられる世界(聖と俗;日常と非日常 ほか)
第3章 生活の中のしきり(住まいのしきり(遮断)の装置
汚れのしきり ほか)
第4章 しきりの提案(ミース・ファン・デル・ローエによるしきり;中廊下式間取りの提案 ほか)

著者等紹介

柏木博[カシワギヒロシ]
1946年神戸に生まれる。武蔵野美術大学卒業。現在、武蔵美術大学教授。近代デザイン史専攻
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mitei

233
人間はしきりをどう意識して来たのか?そしてネット社会になっている中、どう変わっていってるかがよくわかる。こういう問題意識を普段持たないので興味深く読めた。やはり間取りから考え方が分かるなぁ。2020/05/19

mura_海竜

127
学生の頃に読んでいた柏木さん。かなり久しぶりに拝読。しきりの概念から自己と非自己のしきり、自己と他者、人間関係。集団と個。西洋と日本の建築のしきりとその対比。デ・ステイルから日本の住宅へのデザインの変遷。日本の緩やかなしきり、障子・御簾・襖・衝立・格子戸・屏風。縁側など住まいに自然環境に対峙せず、受け入れていることが、しきりの仕方に大きく影響を与えた。履物を脱ぐ玄関は日本独特のしきり。「畳の上で死ぬ」ことは三途の川を裸足で渡るため(履物を御棺に入れますが)。2004年の著。続く→2021/02/07

take

5
物理的なしきりの話だけでなく、心理的、象徴的なしきりの話も多く、面白かった。第三章で「境界を越える時、人は靴を脱ぐ」という話があったが、飛び降り自殺の時(=生死の境界を越える時)、靴を脱いで揃えるというのもそういうことなのかな...。2019/02/06

編集兼発行人

4
境界を構築することの意味を巡る考察。都市や国家の成立に伏流する速度。自己と他者とが同化せず鬩ぎ合うことでしか成立しない対話。親密逃走攻撃の間合いを決定する社会的な距離感。ホームパーティから垣間見える家庭地域間の鉄条網。衝立や段差により薄らと張り巡らす文化的な壁。名指しにより初めて発生する私物。共有の感覚に先行する信仰。対象そのものと取巻く環境とへの様々な眼差しを織り成す行為としてのデザイン。時間における切れ目の消失が齎す富の集中。等々を通じて物理的もしくは心理的な「接続と断絶との調整弁」の存在を捉え直す。2013/08/04

永夢

4
自分と他人を分かつという行動自体が「しきり」をつくっているということなんだな。そう思うと、本当に数限りないしきりの中で生きているんだと感じた。2013/07/16

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