講談社現代新書
働くことは生きること

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  • サイズ 新書判/ページ数 232p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784061496392
  • NDC分類 916
  • Cコード C0260

内容説明

腕のいい職人の仕事は粋で美しい。効率第一の裏で、働く人は要員に成り下がっていないか。旋盤工・作家が問う「仕事」の現在。

目次

1 肩書から“旋盤工”が消える日
2 仕事が好きになるまで
3 働きながら書く―作家の肩書のないころ
4 仕事をみつめる
5 時代をみつめる
6 こころ豊かに働く

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

くろほ

6
日本経済を支え続け、そして今確実に消え去ろうとしている、町工場の"粋な職人たち"の存在。経済的合理性の名の下に、この国は自らの生命線を削っているかのようだ。それにしても人はなぜ働くんだろう。あるいは職人としての誇りのためかもしれない。「鋼を削るという仕事の、なんと奥深いことか。挑んでも挑んでも限りがなかった。鋼を削る仕事の、なんと楽しいことか。その楽しさは、あらかじめそこに存在するというものではなかった。こちらが鋼に向かって語りかけるときに、はじめて鋼のほうが姿を見せてくれるというものだった」2013/05/28

もりけい

3
粋な旋盤工が書かれた本。旋盤の専門用語が飛び交うが気にすることなく読める。オートメーション化の進んだ機械の時代を、「人が機械にあわせて働かされて限りなく怠惰な労働である」と喝破する。やはり人が機械的になるのは働いてても面白くなく、自らの工夫があってやりがいにつながると思う。2015/02/15

Hiroki Nishizumi

2
良い。何度でも再読出来そうだ。「金儲けより、うまい晩酌」とは自分にも当てはまりそうだ。2018/01/16

Hiroki Nishizumi

2
自分はこの手の本、思想が好きだ。時代を映す描写「これからは工業の時代だ」学ぶ日々「小関、百分の一ミリってのはどんなものか教えてやる」「原稿用紙の升目を篩にしてね。文章を篩にかけて、そこで残ったものだけがいい文章なんだ。」そして現場を軽視する風潮、技術力を力と見ない社会、仕上がった美しさを評価対象としない浅い考え方は今も変わらず社会構造の歪としてはびこっている。自分自身のこととして、どのように考え、どのように生きて、どのように態度に表すのか考えさせられる一冊である。2016/07/01

Yoshihiro Tamura

0
あえて言うならば、現代の底辺。給与の低い人間である著者の本。しかし、読んでみると、金、金、金の時代に、労働とは何か?労働の喜びといった働くことの意味を示唆してくれた本だった。社会的には底辺かもしれないけど、金を多く持つことが幸せなのか?自分の力で難題を解決する、そんな職人たちの生き様を教えてくれた。人の上前をはねる仕事をしている自分の胸が痛くなった。こんな生き方もあるんだな。2015/05/28

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