講談社現代新書
「大東亜」戦争を知っていますか

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  • サイズ 新書判/ページ数 245p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784061496170
  • NDC分類 210.75
  • Cコード C0221

内容説明

実はマレー半島上陸で始まった開戦から戦後まで―東南アジア研究にとりくむ著者が若い世代に語る日本と戦争の真実。

目次

はじめに もうすぐ二〇歳になる娘ロミへ
1 開戦(マレー半島上陸で始まった戦争;アジアの希望の星―日本 ほか)
2 大東亜共栄圏を支えた人たち(対日協力者;「アジア人のためのアジア」 ほか)
3 日本軍の施策(ロームシャたちの叫び;米 ほか)
4 戦後の課題(戦いおわる;東南アジア諸国の独立 ほか)

著者等紹介

倉沢愛子[クラサワアイコ]
1946年生まれ。東京大学大学院修了。1987年、コーネル大学より歴史学でPh.D取得。現在、慶応大学教授。専攻は東南アジア社会史
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

skunk_c

65
20年前に買ってパラ読みしていたものを完読。著者が括弧付きの大東亜戦争という用語を使うのは、太平洋では抜け落ちる地域(ビルマなんて太平洋の附属海にすら面していない)を意識してのことで、日本の大東亜共栄圏構想には違和感を持っている故の括弧だそうだ。オーラルヒストリーの手法で、主にインドネシアを中心に多くのエピソードが語られる。山崎雅弘『太平洋戦争秘史』にも登場する話も多く、20年前から著者が意識していたのはさすがと思った。インドネシアの場合嫌日感情だけでなく、親日感情もあり、それも取り上げている。2022/12/25

かな

14
教科書などで太平洋戦争と呼ばれる「大東亜(Greater East Asia)」戦争は「アジアの解放」を建前とした侵略戦争であった。東南アジアの侵略地域で何が起きていたか。企業戦士として送り込まれた日本人達、ロームシャ、慰安婦など、声なき人びとのインタビューが多く収録されている。日本の施策に振り回された結果、食糧不足によるベトナムの餓死者はベトナム戦争の犠牲者数を上回るという。戦後の補償やそれが各地に及ぼした影響なども興味深い。読んで良かったと思う。2020/03/02

takeapple

13
「大東亜」戦争期の日本の東南アジアでの占領政策がどう実行され、人々がどう言う影響を受けていたかを聞き書きをもとに新書形式で書いた著者渾身の作。自分の娘に母が生涯をかけて取り組んで来た研究を語るのだから嘘や誤魔化しがない。私の祖父も戦時中英領ボルネオにフリーの派遣記者として、軍属という身分だが、渡り戦死を遂げた。会ったことがない祖父がどう言う事をしたのか知りたくて読んでみた。個人の思いと国家の意図や行為は全く別で人は自分の属する国家の行為に責任を持たなくてはならないのだと祖父が書き残したものにもある。2020/06/19

おらひらお

4
2002年初版。東南アジアから見た大東亜戦争的な内容です。最近話題の慰安婦の問題も、体験者のコメントを見ると何とも言えない感じになってしまいます。ただ、各章のはじめにある娘さんへの問いかけはあまりいらないような気もします・・・。2013/05/31

渡辺強志

3
この本は、日本が戦争開始時に獲得した南方の土地で起こったことについて書かれています。 フィリピンやインドネシアやビルマ等多くの植民地があるが、植民地の内情が各地によって結構違っていることに驚きました。 特にフィリピンは自治政府まであり、10年後には独立の約束まで合ったことは初めて知り、日本がいなければアジアはずっと植民地であったとは一概に言えない事が分かりました。 大東亜共栄圏というのは南方の植民地を欧米の手から解放するのではなく日本のものにするって意味合いが強いと思いました。2018/07/17

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