内容説明
なぜ人を殺してはいけないのかわからない子供があちこちにいる今、真に大切なことは何か。人間が本来持っている「倫理の原液」をとり戻すための根源的な提案。
目次
第1章 してはいけないことがある
第2章 “人様”という考え方は重要である
第3章 約束はいかに守られるべきか
第4章 宗教にはどう対するか
第5章 ものの役に立つこと
第6章 在るものを愛すること
著者等紹介
前田英樹[マエダヒデキ]
1951年、大阪生まれ。中央大学大学院文学研究科修了。現在、立教大学文学部教授。専攻はフランス思想。主な著書に『沈黙するソシュール』『小津安二郎の家』―書肆山田、『小林秀雄』―河出書房新社、『在るものの魅惑』―現代思潮社、『セザンヌ 画家のメチエ』―青土社―などがある
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
テトラ
29
今年度で退官される先生が最後に薦めて下さった本。私は先生の最後の教え子。平易な文章でとても大切なことについて書かれていると先生はおっしゃった。大学を卒業しても、結婚しても、子供ができても、歳をとっても、ずっと持っていて読み返しなさい、と。何のために知性はあるのか。何のために生きているのか。哲学の徒として倫理という力のことを考え続けていきたい。「トンカツ屋のおやじ」にならなくてはいけないんですよね、先生。ずっと大切にします。2016/01/24
とし
8
少し古い本だが、論理的に倫理を語る。2020/08/28
yo
6
何言ってんのか全然わかんない。でもそれで良い。語り得ぬものに対しては沈黙しなければならない、というレベルの話を必死に語って見せようとすれば、自ずと表現は難解になる。比喩も増える。「何か」「力」といった曖昧な言葉も増える。そしてニュアンスで伝えるしかない。伝わっていれば語り得たと言えるだろう。そのニュアンスを感知したものとして、「道徳は善悪を規定しない」「道徳を生み出すものは論理で説明できない『倫理の原液』である」と「生きる目的は在る物を愛する」ということだけ。 読んでいて会津十訓を思い出した。2015/05/06
⇄
2
命とか○春とかに発生する”倫理”って概念はあってもなくても同じっぽくない?と思ったが、多分……本当に多分だけれど、売○って倫理が存在するから成立するんだろうなとも思う。命に関しては一生議論してたら?人間ってどうせ死ぬから。そんな質問してくるやつに構っててもしょうがないけどさ。なんで?ってのは逆になんで?ってまず聞け。2023/07/30
e_ntyo
2
高校の国語の教科書に載っていてほしい感じの作品 まさに倫理という力こそ、Pandemicを人が乗り越えるために必要な力の一つだと思った2021/04/25