講談社現代新書<br> ゴシックとは何か―大聖堂の精神史

  • ポイントキャンペーン

講談社現代新書
ゴシックとは何か―大聖堂の精神史

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 241p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784061494879
  • NDC分類 523.045
  • Cコード C0222

内容説明

大聖堂はなぜ高いのか?中世キリスト教信仰と自然崇拝が生んだ聖なるかたち。その思想をたどり、ヨーロッパを読み直す。

目次

第1章 ゴシックの誕生―自然とキリスト教の出会い(大自然への憧憬;死と笑いの聖性;威光と調和)
第2章 ゴシックの受難―変わる美意識、尖鋭化する宗教感情(戦争とペスト;反ゴシックの美学;宗教改革)
第3章 ゴシックの復活―近代はいかに中世を甦らせたか(ゴシック神話―イギリスの場合;生ける全体―ドイツの場合;神秘と感覚と構造―フランスの場合)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

どんぐり

79
12世紀、なぜヨーロッパの多くの都市でゴシック様式の大聖堂が生まれてきたのか、その歴史をひもとく本。当時、都市には農村から出てきた大勢の人たちがいて、彼らを収容できる大規模な教会の必要性があった。その建造物の特徴が、より高さをめざした尖頭アーチ、神秘的な光を放つステンドグラス、飛梁と控壁の使用。そこに広大な森林を背景に育まれた自然崇拝の念が色濃く反映されているのだという。ケン・フォレットの小説に、イングランドを舞台に大聖堂を建立する壮大な歴史的物語『大聖堂』がある。→2021/02/14

ゲオルギオ・ハーン

25
主に建築様式の言葉として使われる「ゴシック」について、その表現するとことはなにかということを歴史的な流れの概説を書きながら考察した一冊。ゴシック様式の誕生、衰退、復活で3章に分けており、雑学的な話(違和感のある所もあったが)もあり読みやすかった。建築年代により建物が巨大化していくというのは(サンプルが恣意的にしても)指摘としては面白いと思いました。ゴシック復活がドイツではなくイングランドであり、カトリック教会権力がなくなったところで起こるという着眼点も面白いと思います。2022/06/25

白義

15
ゴシックという精神の流れと共に、ヨーロッパ文化を中世から近代まで駆け抜ける。著者自身ゴシックの崇高さ、神聖さ、おぞましさに心底ぞっこんで、読んでいてとても楽しい。中世フランスに生まれたゴシックとは、キリスト教的な清らかな聖性に、異教的で死の気配も共に刻まれたものだった。そこからルネサンスや宗教改革期の冷遇を経て、ゴシックリヴァイバルによる近代での復活まで、文化や思想的動向も追いながら辿り、やがてガウディに至ったところで、論考は締められる。ちなみに補論のガウディ論は文庫版に収録とのこと2013/02/17

eirianda

12
ロマネスクも良いがゴシックも良かった。ホラー系をゴシックと呼ぶ謂れも分かり、スッとした。やっぱり、これ読んでからフランスに行った方が二度楽しめたと少し後悔するが、コロナ収束後にまた行こうという目標も持てたので、よしとする。2021/01/15

ハイパー毛玉クリエイター⊿

5
ゴシック建築史をまとめた一冊。ゴシックが「ゴート人の」という意味を持つというところまではともかくとして、蔑称的なニュアンスまで含んでいたということを初めて知った。しかも実際はゴート人よりもケルト人との関連性が強いのだそうで…まぁじつに難しい。2015/11/11

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/180669
  • ご注意事項