講談社現代新書
「家族」と「幸福」の戦後史―郊外の夢と現実

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  • サイズ 新書判/ページ数 224p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784061494824
  • NDC分類 367.3
  • Cコード C0236

内容説明

家庭内でそれぞれ孤立する夫・妻・子供たち。アメリカ的豊かさの象徴であるはずの「郊外」生活が、戦後日本にもたらしたものは何か。

目次

第1章 マイホームという神話
第2章 ニューヨーク万博と郊外・家族
第3章 レヴィットタウンとアメリカの夢
第4章 冷たい戦争と暖かい家族
第5章 郊外への反乱
第6章 55年体制の中の郊外
第7章 郊外という問題
第8章 郊外を超えて

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

白義

16
いまだにこれが三浦展の最高傑作だと思う。郊外論の手始めに読むべき名著。アメリカン・マイホーム主義、家庭の進歩への希求、憧れが結果として、郊外という合理的で無機質な鉄の檻を招いたことを、歴史的に分析。郊外化がもたらす問題と郊外の先の抜け道まで提示している。後半の問題分析はステレオタイプな、根のない郊外では犯罪が…という話しも混じるが、監獄空間としての郊外、外部のない閉塞感はまさにという気がする。郊外の先にあるものが高円寺的なサブカル、文化地域だというのは使い古されてて、解決策とまではいかないかも2012/10/01

アメヲトコ

8
99年刊。いわゆる郊外批判本のはしりで、指摘されている点については郊外育ちの私にもわかる部分が少なくないですが、分析は全般に雑。アメリカの郊外住宅地批判を論じるソースに向こうの郊外批判本を使うのもアレだし、後半の暴走ぶりは郊外に親でも殺されたのかと言いたくなるレベル。ほとんど居住地差別でしょこれ。そして郊外を乗り越える鍵は高円寺とフリマとフリーターにあり! と来られたときには全身脱力。時間返して!2019/11/10

ひろみん

6
日本の『郊外』に関して書かれた本。私のお気に入り書ベスト10に入るかも…。80年代の新興住宅地で育った私ですが、独特の閉塞感に息苦しさを常々感じて「恵まれてるはずなのに…」と、罪悪感すら抱きながら育ちました。この本によれば、私の世代(団塊の子世代)は工業製品のように郊外で大量生産されたもの、と解けます。パパとママ、子供が二人という家族のステレオタイプは非常に歴史が浅いもの。家族と住まいは時代の影響をものすごく受けるということが分かりました。工業製品だから、少しでも足並揃わないと不安になったのだと納得です。2016/08/26

スズツキ

4
戦後日本を支えた消費信仰の源流をアメリカに見出し、細かく分析した序盤が白眉。車などを持つことがステータス、ではなくそのものによってステータスが規定されるさまは面白い。ただ終盤の出来はいろいろ聞いていた通り全然よくない。マックス・ウェーバーの言う通り、学者は分析だけしておけばいいということか。2016/06/12

えむa

4
前半のアメリカの住宅をめぐるムーヴメント、レヴィットタウンから始まる分析と考察は興味深いものがあった。アメリカの20年遅れの後追いをしている日本。筆者はニュータウンを嫌悪しているのかな。後半の郊外論はなんだかバイアスがかかっているみたいな印象を受けた。2014/05/28

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