講談社現代新書<br> 「意識」とは何だろうか―脳の来歴、知覚の錯誤

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講談社現代新書
「意識」とは何だろうか―脳の来歴、知覚の錯誤

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  • サイズ 新書判/ページ数 262p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784061494398
  • NDC分類 141.51
  • Cコード C0211

内容説明

「心」とは意識のことか。意識プラス無意識か。では意識とは何なのか。「錯誤」を手がかりに、脳・認知科学の最前線から「心の全体像」へ迫る快著。

目次

第1章 錯誤とは何か
第2章 脳の「来歴」―錯誤から浮き彫りにされるもの
第3章 心とからだと他者―連動する脳と世界
第4章 意識と無意識のありか―心の全体像
第5章 人間観と倫理

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かみぶくろ

57
一読で完全に理解できたわけではないが、考えたり感じたりについて非常に重要な別視点を与えてくれる。何かが断定的に明かされるわけではないところに、逆にその科学的な良心を感じる。意識-無意識-身体-環境-他者-世界。その境界は曖昧で、相互に依存し、重複し、錯綜する。それらすべてをひっくるめて「心」だとするアプローチは、素人感覚からしても読んでて納得感が高かった。向精神薬をフックにした脳と物質を巡る倫理の話もとても興味深い。自分が日々の生活や感情に捉われていると感じる人におすすめしたい良書。2015/03/07

佐島楓

31
脳科学、認知心理学、哲学といった分野から「意識」の正体を探った本。もちろん結論は出ない。だが「錯誤」を起こしても「正常」に順応する脳の「来歴」というものは面白いものだな、と思えた。2015/02/19

踊る猫

27
新書ということもあってコンパクトに「意識」の謎を整理した本なのだが、矛盾するようだが多彩な切り口から語れるとも思う。文字通り人間の意識はどこにあるのか(私の脳の中だけにあるのではなく、外部に存在する事物と「アフォード」している関係性の中にあるのではないか?)、あるいは人間の意識を薬で調節することの倫理的な是非はどうなるのか、などなど。そうした切り口から考えていくのはあくまで読者の作業ということになるので、私自身自分の関心のあるところからこの本を「使う」ことはできないかとも思ってしまった。好奇心をくすぐる本2023/01/14

hanagon44

18
第4章のはじめに書かれていたエマソン・ビューの「もし私に脳を理解できるほど複雑な頭脳があったなら,まさにそれゆえに私は脳を理解できないだろう」という言葉が,この本を読み進めれば読み進めるほど重く感じた。非常に根源的な事象を解明することは,これほどまでに難しいのかと思った。「物質が精神を凌駕する。しかし,同時に,脳と精神がかぎりなく外部装置を作り増殖する。その果てに新たな倫理問題が浮き彫りとなる。これが私の未来像です。」という文章が,強く印象に残った。2015/01/22

タカヒロ

14
知覚の錯誤から始まって、脳-身体-環境との関係や脳の来歴により作られていく意識と無意識を、普段の自分は心と体を区別して「錯誤」していたことを感じることができた。1999年に発行されたこの本が今も増刷されていることを考えると今でも錯誤している人の方が多いだろうし自分の少し経てばまたこのことを忘れてしまう気がするのでまた読みたいと思う。2015/03/03

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