内容説明
心がことばをつくり出し、ことばは心を統御する。失語症研究の第一人者が脳・心・ことばのメカニズムに迫る。
目次
第1章 ことばとはなんだろう(ことばの音韻形式;意味されるものの構造 ほか)
第2章 ことばを失うということ(「話すこと」と「聞くこと」―言語行動の基本;音韻と意味の解離―記号構造の分解)
第3章 ことばを織り出す脳(大脳の仕組み;脳はどのように音韻にかかわるのか ほか)
第4章 脳・心・ことば(ことばを失った心;心の成り立ち―知・情・意 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やっさん
14
タイトルに難あり。「なぜことばを使えるか」というよりは「ことばを司る部位に障害ができるとどうなるか」というアプローチ。手足を失った患者がその現実を受け容れない例などは興味深かった。それにしても、耳で聞く、音節を区切って単語を識別、内容を理解。回答を模索、単語を選択、音節に変換、口腔・喉頭の筋肉を連動、ってプロセスにすると非常に高度なことやってるのだね、会話って。芸人(特に)すごい。2022/10/10
samandabadra
2
p.60 意図的言語VS自動的言語、p.99言語の自走状態、p.134言語理解のプロセス、p.170知の活動、pp.197-201筆者の次男の言語獲得の時の変化、それぞれに参考になる2016/10/13
まーれ
2
とても読みやすい印象でした。出版は少し昔になりますが、内容は現在でも十分活用できるものだと思います。2014/02/24
カネコ
2
○ 著者は神経心理学が専攻の医師で、失語症の症例等から脳・心・ことばのメカニズムに言及。同心円の階層で外側から意識→情→知→意というかたちの心の生成の概念図など、わかりやすく興味深い。2009/01/29