内容説明
古来から人々の心のよりどころとして親しまれ、信仰を集めてきた観音菩薩。インドから中国へ、そして日本へ―。その信仰の変容、仏教の展開を通して、民衆の祈りの本質を解き明かす。
目次
第１章 観音とは何だろう
第２章 観音の誕生
第３章 『観音経』の教え
第４章 観音信仰の歩み
第５章 アジア民衆の中に生きる観音
第６章 観音、海へ
第７章 観音と日本人
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Se_Quim
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数ある仏の中で、なぜ観音だけ特別なのか。言われてみれば気がつくようなこの疑問に答えてくれる一冊。観音信仰の起こり、そしてなぜ観音がまず中国で好かれたのか。中国人の物の考え方から見事にその理由を指摘する考察は、本当に素晴らしいものでした。表面的にでも中国人を知っている人であれば、納得間違いありません。そして、この本の素晴らしいところは、各国の観音信仰について著者の収集した情報と経験が、生き生きと綴られているところ。20年以上前の本で現地の状況は変わっているかもしれませんが、訪ねてみたいと思わせてくれました。2020/12/09
