講談社現代新書<br> トルコ民族主義

講談社現代新書
トルコ民族主義

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  • サイズ 新書判/ページ数 242p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784061493278
  • NDC分類 226.6
  • Cコード C0220

内容説明

モンゴル高原に源を発した遊牧民は、いかにして世界地図を塗りかえたか。いま、再び歴史の主役に躍り出た民族の歴史と未来像。

目次

序章 イスタンブルに民族の問題をみる
第1章 トルコ民族とは何か
第2章 ペルシア=イスラーム世界への道
第3章 東方キリスト教世界のトルコ=イスラーム化
第4章 未完のトルキスタン国家
第5章 アゼルバイジャンの「二つの顔」
第6章 変転するトルコ人の民族意識
終章 灰色の狼はよみがえるのか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

たみ

14
トルコという”国”ではなく、トルコ系諸民族についての本。中央アジアからバルカンまでのトルコ系民族のなりたち。トルコ化(言語的・文化的に先住民を同化させる)と、イスラーム化(シャマニズム信者がイスラームを受容していく)の過程がキーとなっていく。宗教・地縁・血縁という結びつきが、近代になってから言語による帰属意識へと変化。「民族」をどう定義するのか?というところから話が始まっていて、親切設計が嬉しい。トルコ系諸民族の始祖が「灰色の狼」という話が一番印象的だった。狼には人を引き付ける魅力があるのかもしれない。2015/07/08

ああああ

12
ユーラシアのあらゆる場所へと拡散していったトルコ系の人びとの歴史とその民族の定義について。とても分かりやすかった。読み進めると、自分の頭の中にある民族という概念がとても狭いということに気づく。トルコ系と一口に言っても言語・文化・宗教など全てのレイヤーが重なることは無い人たち。オスマン帝国の崩壊の過程を読みながら、国民国家は「幻想の共同体」かも知れないが(他民族が同居するという意味で)帝国の方がより抽象的で平和な幻想だったのかもしれないと少ししんみりした。2016/01/16

belier

3
トルコ民族は同じ系統の言語を話すが、肉体的特徴に共通するものはほとんどない。先祖とされるのは中国の史書に紀元前3世紀頃からたびたび登場する遊牧民で、そこからユーラシアの中央部に広がり定住している。トルコ民族主義は、民族全体で捉えるパン・トルコ主義的なものと、一国ナショナリズム的なものとがある。前者は現在ほとんど力がない。後者は、アゼルバイジャンでもトルコでも排外的になり他の民族を迫害したことがあるし、今も紛争中だ。つまり政治的に問題を抱えている。だが民族共通の文化でつながるのは悪いことばかりではない。2023/03/28

naoto

2
トルコと旧ソ連中央アジアのトルコ系民族に関しての本。って感じで間違ってないかな?歴史的にはバルカンや南東ヨーロッパ、ロシア、イランといろいろあったみたいですね。言語系統から来る一体感…自分もなぜかトルコに親近感があるのは、日本語とトルコ語の近さのせいかも?2016/03/14

牛タン

1
言語と帰属意識を軸にしたトルコ民族主義。モンゴルからヴォルガ(タタール)、バルカン(ブルガール)、ペルシア(シャーマニズム、スーフィズム)、東方キリスト教世界への進出。中央アジア(綿花栽培、チャガタイ語)、アゼルバイジャン(石油採掘、アゼルバイジャン語)における帝政ロシアの侵攻・ロシア革命のもとでの民族主義勃興。オスマン帝国(ミレット、領土喪失、タンズィマート、イスラーム主義、青年トルコ党、汎トルコ主義)とトルコ共和国(アナトリア・ナショナリズム、アルメニア、ギリシア、クルド、灰色の狼)。黒海経済協力機構2016/01/14

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