内容説明
わたしとわたしの周りの世界とは別のもの?対象として世界を捉える知を捨て、じかに自然に感応しつつ、山川草木のなかに自分という風景を描き出す。
目次
1 絵で描く自分発見(人生の眺め;からだの世界から魂の空間へ「入る」;そこ―日常であって非日常の空間;自分が見えてくる;シンクロニシティ空間;水のもと・不生の水;答えてくれ、あなたは誰か;飛び立つ)
2 自分史のなかの文化人類学(混沌からの出発;普遍へ)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
☆☆☆☆☆☆☆
3
これは意外にもすごく良い本。人類学meets『正法眼蔵』、自分へのフィールドワークを通じて世界を探求する営み、老人類学者の悟りの境地ともいえる一冊でした。昨今はやりの「存在論的転回」の議論に驚くほど近いのも興味深い。2017/06/14
arisa
1
散歩の途中に葉っぱを見る。葉っぱ一枚は明らかに有限である。しかし、「葉っぱの現存在に至るまでの存在しなかったあらゆる可能性」という無限を含む有限である。葉っぱは宇宙に内包されており、宇宙は葉っぱを包有している。宇宙が無限であるならば、有限は無限の中に含まれているのか。無限の中に有限があり、有限の中に無限がある。私と葉っぱの間に曼荼羅が展開する。いよいよよくわからかくなってきた。煮えた頭を冬の空気が冷やしていく。2023/01/03
ouosou
0
こういう本を出せていたんだなあ。それほど昔のことではないし、自分の読書体験も始まっていたのだけれど、豊かな時代だったんだなあ。2017/09/29