内容説明
生真面で心やさしい人々をおそうゆううつ、不安、おっくう感。軽症化しつつふえている理由なき現代的うつ状態への対処法と立ち直りの道筋を明快に説く。
目次
第1章 現代の「うつ病」
第2章 三種類の「ゆううつ」
第3章 身体と心の「一定の症状」
第4章 どういう人におこりやすいか
第5章 急性期治療の七原則
第6章 うつ病が少し長引くとき
第7章 職場のメンタルヘルスのために
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kinkin
16
「うつ」。20年前くらい前には今ほど「うつ」と騒がれなかった。やはりバブル後の不況、構造改革にともなうリストラ、非正規雇用の拡大などが根底にあるのではないか。「うつ」であることを自分で認めること、そして「うつ」を隠すことなく周囲に認めてもらうこと。なにより「うつ」を治す主治医は自分ではないかと思う。これから厳しい社会が続く、「うつ」にならないのが一番よいのだが、自分もじくは家族がもしなってしまったら、最低限の知識はもっておきたい。わたしも「うつ」ですが・・・・2013/05/02
晴れ女のMoeco
10
不眠とか憂鬱とか身体症状、数ヶ月続いているから、これはけっこうやべーやつでは……と、今さら気づいた。「慢性的な軽症うつ」ということばがすきで、10代から20代前半のころは、まさに慢性的軽症うつだった。笑 一にも二にも無理をしてはいけない、と伝わってきた。 「無理をして頑張る」って美徳のようで、自分のつらさに素直になれないってことだな!2019/11/06
RASCAL
7
部下のメンタルヘルスのために、そして自分のために、正しい知識は必要なので。 心因性ではない、内因性のうつ、良くわかりました。読んでよかった。2013/03/20
ゆきだるま
6
すごく優しい語り口で、うつ病について解説してくれる。そしてわかりやすい。環境要因ばかりじゃないとか、わかっていたようでわかっていなかったことが知れた。96年の本。2022/01/29
トラバーユ
6
20年以上前に書かれた本だが、うつ全般について体型的にまとめられており良書だと思う。症例が高度経済成長期にバリバリのサラリーマンだった人や他の症例も今よりは経済的に良い時代を過ごした人が多くて、最初あまり参考にならないと思ったのと、文章が少し固くて読むのに少し時間がかかったが読了する価値はあると思います。「病を経過した者のみが開拓できる人生観をそこに加えることができれば、それは成熟の名に値するだろう」「うつ病の回復期は三寒四温、焦ることなかれ」「症状のうち億劫感は持続しがち」等々非常に参考になった。2018/06/10