講談社現代新書<br> マフィア―その神話と現実

講談社現代新書
マフィア―その神話と現実

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  • サイズ 新書判/ページ数 232p/高さ 18X11cm
  • 商品コード 9784061490413
  • NDC分類 368.5
  • Cコード C0236

内容説明

秘密の入会儀礼。鉄の規律。ゴッドファーザーと「名誉ある男」たちに率いられ、「沈黙の掟」によって守られた謎の組織=マフィア。麻薬、闇賭博、売春など、血と暴力が支配する一大犯罪シンジケートの恐るべき実態に光を当てる。

目次

1 麻薬ビジネスと現代マフィア
2 シチリア・マフィアの誕生
3 海を渡ったマフィア
4 ナポリのマフィア「カモッラ」
5 誘拐マフィア「ヌドランゲタ」
6 80年代のイタリア・マフィア

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ホークス

33
シチリアとつながる「ならず者」の歴史。1991年刊なので、冒頭の最新状況は80年代後半の麻薬ビジネス成功で終わっている。ならず者の常套手段は、美しいものや反権力を装って搾取する事。侵略に晒され続けたシチリアでは、自力で戦えない者が頼れるもっとマシな存在は居なかった。人の業はどこでも同じだし、弱者が清いとも思わないが、数世紀に渡る抗争の連鎖、権力との癒着は凄まじい。イタリア建国後は大量の移民と共にアメリカへ。カポネとかゴッドファーザーの時代になってもシチリアとの縁は続く。凄惨かつ濃厚過ぎる「実録」。2019/05/23

ちくわん

10
マフィア。まさに「ゴッドファーザー」の世界。家族でパスタ(当時スパゲッティ)を食べたあとマシンガン(機関銃)で蜂の巣にされる、映画のワンシーンがよみがえる。イタリア南部は、他国の支配が続き、北部イタリアと全く異なる歴史があった。日本から見れば同じイタリアじゃん、って感じでも全く別のアイデンティティがあるのだろう。正直、全く期待していなった一冊だったが、新書の力を痛感した一冊。でも、1991年の本なので裏表紙の著者の写真は、、、、、キリッとしている、、、、としか言えない。 2019/02/17

akiakki

7
シチリアとイタリアマフィアから同時にシチリアとイタリアの歴史も学べます。侵略された時代が長く、民衆のための公権力が育ちにいため地元の暴力組織が代わりを務める余地が多々あった。政権には食い込むものの思想や政治にはノータッチで、手段を問わず金もうけを行うスタイルは一種の効率主義にも見えます。徹底した秘密主義も怖い。2023/07/20

にゃん吉

6
イタリアのマフィア、カモッラ、ヌドランゲタ、アメリカのマーノ・ネーラからコーサ・ノストラの沿革、両国の組織の関係等が概説されています。1991年初版で、当時としては最新の、1980年代のヘロイン、コカインの密輸を巡る各組織の協同、角逐、盛衰が結構厚く叙述されています。取り締まる側とのイタチごっこのように、国際的で大掛かりな密輸ルートが次々と生み出される様は、そこから生じる利権がいかに巨大かをよく物語っています。本書から今日までの30年間について概説された類書があれば、これも読んでみたいところです。2020/01/19

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3
『キリストはエボリで止まった』の訳者解説がとても面白かったのでこの人の著書を読んでみようと思ったのがきっかけ。1991年の本なのでかなり古いけど、黒社会っていうのはならず者たちが勝手に形成したものではなく、住民、資本家、政治家の利益が交錯する中で互いが利用したりされたり親密になったり交戦状態になったりを繰り返して出来ている、というのがよくわかる。日本のヤクザも同じ。2017/04/15

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