内容説明
世界の道が通じる大理石の都ローマ。天をつく大塔、異国人でにぎわう長安。古代百万都市を比較しながらその精巧なシステムと繁栄を描く。
目次
1 世界都市、ローマと長安
2 シーザーの空間、李白の空間
3 パンとサーカス―ローマ市民の都市生活
4 詩と胡旋舞―長安市民の都市生活
5 構築された都市と計画された都市
6 石の建築、木の建築
7 ユーラシア文化圏の風土と都市
8 都市文明の力学
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
俊
19
古代と中世を代表する大都市を比較解説しながら、後代の都市に与えた影響を考察している。両都市の文化と制度の違いを平易に説明しているのは良いのだけれど、いずれも表面的な部分にしか触れておらず物足りない。ローマと長安を上下巻で分けても良かったんじゃなかろうか。 2015/02/23
うえ
6
建築技術家による比較論。「大通りの代表が、宮城の正面からまっすくにのびる長安の主軸となる「朱雀大街」であり…目抜き通りで、馬、牛、車がひきもきらずといった有様であった。…古代ローマでいえばフォルム・ロマヌムにあたる…横街は、幅が220mもあるのだから、道路というより広場といったほうがよく、朝廷の公的な儀礼の場であった。…ローマでいえばカピトリウムの丘にあたる」「ローマ市民はひまな時に、演劇をみ、戦車競争や剣闘士試合をみて時間をついやしたが、長安市民はひまな時には、花をみ、自然をみ、詩をよんで時をすごした」2022/12/13
ひなた
4
★3 ユーラシア大陸の西から東の地域(シルクロード近辺)を帯状にとらえ、東西二つの磁場としてローマと長安二つの都市を比較考察する。特別目新しい発見はないが、文明・歴史的な事柄から平易に説明してくれるので都市論の入門編として良。2016/06/18
総代
1
東西の都を比較し、文化文明を解説するというもの。著者のプロフィールからして建築様式とか建築物の話が中心かと思ったら、文化や制度の比較になっていたので、それらなら別に興味の対象でなかったのと、目新しさのある解説でもなかったので、イマイチ。2011/05/02
numainu
0
評価D2003/03/31