内容説明
仮面としての化粧・衣装。詐術としての「よい子のふり」。情動表現としての身振り・手振り。他者の視線を受け、自己の表層に浮かび上がる「ふり」の本性を探り、自己の統合を図る。
目次
1 精神科にて
2 「ふり」の意味
3 「ふり」の変化
4 「ふり」の発達
5 青年―「ふり」の分裂
6 「ふり」の変容
7 「ふり」の終幕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
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専門である「患者」に関しては思慮深さが滲み、分析の引き出しも多いが、それ以外に対しては辛辣なレッテル貼りや決めつけが多く、まとまりのない余計なコメントが目立った。仏教的死生観への着地も強引。20年後に訪れる、 SNS社会を予見するような言葉にはハッとさせられたのだが。2017/02/24
Mizuho
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「筆者の偏見では?」と思う箇所も所々あるが、「自己」を①生まれたばかりの赤ん坊のような「根源的な自己」、②他者から「見られる自己」、③自分で自分を「見る自己」に分類している点は納得できた。「自分の思う自分」と「他者から思われる自分」の間で揺れながら自己を見つけていく青年期の人は共感できる内容であると思う。2018/04/22