内容説明
「さすらう」「いさよう」「たゆとう」…。“移動”を表すにも言い分けが必要だ。45の基本動詞から、さかのぼり、派生する、多彩な類語の使い分け。〈動詞〉という鉱脈に、魅力ある日本語を掘り起こす。
目次
する―根源をなす行為と現象
できる―物の発生が原点となって
無くなる―自己を超えた無常の支配
ある―主観によって変わる存在の有無
集まる―集団への欲望
働く―そのものの機能が動き出す
渡る―広漠とした海を行き進む
困る―世の中の掟に従って〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
FK
3
全45項目を毎日1項目ずつ読み進めた。/情に棹さしてばかりいては忙しい現代生活について行けない、そんなドライな世の中になってしまったのが筆写には悲しい。(P.79 14.喜ぶ)【実は本文は「情に棹さして」のすぐ後にカッコ書きで次のようにある。「人情に流されること。「棹さす」は流れに従うことで、逆らうことではない」、と。間違えて覚えていた。】/『源氏物語』で使われている単語の総数はわずかに11423語とのこと。これは「現在なら九歳児ぐらいの語彙量だ。成人なら五万語ぐらいが常識」(P.18)ということらしい。2021/02/16
煎餅
0
この本に出会えてほんとうによかった!バブル期に書かれた本なので時たまある「現代の若者は〜」的な文脈が全部「明るくて軽くなっている」って感じで時代を感じておもしろかった。(笑)主観が多い、という感想を多く見かけたけど、普段使っている日本語のはじまりってなんだろう〜?っていう疑問を分かりやすい言葉で教えてくれて、サクっと読めて個人的には良き。2016/12/27
とんび
0
日本語エッセイといった感じで、動詞をテーマにいろんな言い回しを並べてみるという本。あまり学術的な話ではない。ちょいちょい日本語は日本人は、という句が入るが、それ言葉・人類全般にいえるのでは、とか思ったりも。2013/07/22
AiN
0
◆2010/12/28