内容説明
古代史研究のパラダイム変革を求め、数理文献学に基づいたユニークな方法論で邪馬台国の謎に挑戦。《卑弥呼=天照大御神》《邪馬台国=高天の原=北九州》という大担な仮説で一石を投ずる。
目次
序 邪馬台国問題はなぜとけない―古代日本への新しい道
1 2人の天照大御神―天の岩屋戸伝承の意味
2 年代論の基礎―古代の王の平均在位年数はほぼ10年
3 権力はだれが受けつぐか―父子継承率は時代をさかのぼるにつれて低くなる
4 諸説の検討―「通説」と事実とのあいだ
5 卑弥呼の謎をとく―よみがえる古代史
感想・レビュー
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Naota_t
2
★3.3 結論、邪馬台国は北九州説をとってきるんだけど、その結論的な内容は最後の20ページくらい。そこに至るまでずーっと検証方法の妥当性について、他説と比較しながら精査している。私は大和説に期待しつつ、いろんな証拠と付き合わせて検証するんだなぁと思っていたらかなり違いました。結局、仮説はシンプルで、日本書紀や古事記の天皇系譜を全て正とするが、父子継承という事象は認めない、といこと。日本書紀や古事記でも話を“盛った”内容があり、その信ぴょう性をどう担保するのか、を裏付ける過程が興味深かったです。2019/05/07
hyena_no_papa
1
基本的内容は旧版と同じだと思うが、違った点は「はじめに」に著者の書くように、卑弥呼=倭迹々日百襲姫説批判のページを大幅に削り、「古代の諸天皇非実在説」が再検討されるべきであると主張。この点賛否諸説は有ろうが、議論が低調であることは否定できない。古代史学会自体が『記紀』の神話的部分について肯定的に評価することを憚っている気配がある。戦前の皇国史観を顧みればやむを得ないのかもしれないが、いつかはこの〝憚り〟も克服されねばならない。同時に天皇陵なども考古学的調査を進めて、我が国の創成期の姿をより明らかにすべき。
Gen Kato
1
再読。やはり古代は安本説がいちばん妥当な気がする…2013/09/23
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