内容説明
1987年10月20日、60兆円の株式価値がふき飛んだ。幻想のバブルが膨らみ、資本主義の力学装置は破裂の危機を孕むカジノへと変容する。投資戦略、リスク回避のポートフォリオ等を解説し、自己運動を始めた株式市場のメカニズムに迫る。
目次
1 1987年10月19日
2 株式投資の世界
3 株式市場と資金配分
4 株式市場と投機
5 二つの投資理論
6 株高と株価暴落の経済学
7 株価暴落とプログラム・トレーディング
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Naota_t
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著者は横浜国立大学経済学部教授の倉澤資成。 内容はこの時代の講談社現代新書にしてはちょっとフランクで珍しい。 金融工学の発達や制度変革が頻繁に行われていない時代なので、内容も基礎的なものが多く、優しく平易に書かれているので分かりやすい。 ちなみに上梓昭和63年で、本書の定価が530円の時代。「昭和六四年には、オプションも上場されるだろう。」(p.16)と書いてあるのも趣深い。 今では明確に区別されている、投資と投機の違いが本人は認識しているようだけれど、少し曖昧模糊なのも時代ならではなのかな。。。 2012/09/05