講談社現代新書<br> 天才 - 創造のパトグラフィー

講談社現代新書
天才 - 創造のパトグラフィー

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  • サイズ 新書判/ページ数 233p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784061457218
  • NDC分類 141.18

出版社内容情報

【内容紹介】
〈天才〉はなぜ私たちをひきつけるのだろう?モーツァルト、ダ・ヴィンチ、ニュートン、アインシュタイン、空海、ゲーテ、ヘルダーリン、賢治、カフカ――。だれでも一度は、その豊かですばらしい世界にしたしみ、よろこびと活力を与えられたにちがいない。そこには、なにか神秘的で謎めいた狂気もあり、凡人には近づきがたい魅力とおそれをも感じさせる。本書は、彼らの創造の秘密をさぐり、生まれた環境や背景まで、考察をすすめた天才の精神分析である。天才には、生まれながら早熟な知性や語学能力を示した人も多いが、晩塾型の人も数多い。もしかするとあなたも天才になれるかもしれない。

天才への道――夢や躁状態など、異常な状態に対する天才たちの態度を見ていると、自分のうえに起こったこと、眼の前にあらわれた事象に対して、ひじょうに素直に心を開き、身を委ねて、自然であることがわかる。いままで見知らなかったもの――夢や狂気や幻想――をも、自分の一部として受容し、自己の領域を広く豊かにしてゆくことが、天才と狂気の別れ道である。このような柔軟で自然な態度が、未知の領域から、より多くの贈り物を受けとるのに適切な態度であることはいうまでもない。しかもこれは、躁うつ圏ないし、日本の天才たちに特徴的ともいえる態度である。これに対して、西欧の天才たち、とくに分裂病圏の作家たちは、病的体験や世界に対して対決的な態度をとり、自我と異質なものと自我とのあいだの緊張・葛藤が創造の動因となることが多いように見える。このばあいには、自我の柔軟性というよりは、自己主張の強さ・激しさが天才の条件となるであろう。天才への道は、一つではない。――本文より

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ステビア

8
面白い。久々にラカンでも勉強してみようかなあ2014/02/26

げんとう

1
天才とはいかなるものか、何故天才が生まれたのだろうか等、具体例や、精神分析学などから読み解いていく。パトグラフィ(病跡学)を入門者にでもわかりやすく解説してある。何か創造をすることにおいて、内に潜む狂気と呼ばれるものを自ら取り込む、利用することが重要であるということに関心をもった。天才は生活環境におけるコンプレックス、精神病等狂気に触れることが多く、苦悩や葛藤を持った上で創造をしていることから、実際にそれが幸福であるのか?ということも思ってしまう。2012/03/07

カミツレ

0
有名作家が多く取り上げられていて、その生きざまと、その精神様相の解説がされている。作家の伝記とは違った面白さ。読書家さんにも、精神医学に興味がある人にも楽しめるだろう一冊。

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