出版社内容情報
幼年文学の金字塔・モモちゃんの本完結編。アカネちゃんは6歳になり、学校ではパパがいないことでいじめられたり、つらい経験をする。そこに、別れたパパが亡くなったという悲しい知らせがとどく。 小学初級から
内容説明
もうすぐ1年生になるアカネちゃんに、とてもうれしいことがありました。なかよしのくつしたの、タッタちゃんとタアタちゃんが、かえってきたのです。かなしいのは、おわかれです。モモちゃんとアカネちゃんは、パパといちばんかなしいおわかれをします。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶんこ
51
あとがきにモモちゃんが知りたがったから書き始め、続いてアカネちゃんも知りたがったので書いたとあり、30年かかってしまったそうです。その間には色々のことがあったことと思います。モモちゃんやアカネちゃんにとって、そして山のおじいちゃんおばあちゃんにとっても素晴らしい絵本でしょう。美味しいものが好きなクマさんはお母さんのお母さんと思い込んで読んでいましたが、子育てを助けてくれた友だちだったと書かれていました。素敵な絵本でした友だちに恵まれていたこと素晴らしい。 2017/10/27
アカウント停止
44
最終巻。アカネちゃんの父親への思慕の念が胸に突き刺さる。児童書だが、現実とファンタジーを織り交ぜた大人向けの童話のように思えた。あとがきによると、第1巻発行から30年経って完結。挿絵が第5巻から伊勢英子さんになった理由も分かった。松谷さんはどんな思いでこれを書いたのか。身の回りの「死」を書くことはどんなに辛い作業だったのだろうか。その当時の状況に思いを馳せると、なかなかできることではないと思う。まるで自分の羽根を抜いて反物を織った「鶴の恩返し」の鶴のようだ。最後の6ページ、作者のあとがきを読んで涙。名作。2020/11/11
ヒラP@ehon.gohon
29
モモちゃんが中学生になって、アカネちゃんももう小学生。完結のこの作品は、これまでのファンタジーの世界に加えて、社会観、家族観、そして心の成長がくっきりとしてきました。 このシリーズ、松谷みよ子さんの人生そのものだったのですね。 最後にしてと思いますが、多くの絵本や童話と違って、作者の人間くささを、てらいもなく描ききった潔さにも感銘しました。 子どもたちも、この作品を受け入れてくれたのでしょうね。2020/08/02
Yukiko Yosuke
20
モモちゃんとアカネちゃんの本のシリーズ6冊目、最終巻。1961年に最初のお話が発表されてから30年でようやく完結するこのシリーズ。松谷さんが描く世界は、現実とファンタジーが溶け合う、優しいけれど時に厳しい現実を映す世界。パパとママの離婚の理由を絵本を書いてというアカネちゃん、お父さんがいないことを揶揄う同級生の存在、時折パパおおかみとしてアカネちゃんを訪れていたパパの死、涙の枯れたアカネちゃんとここまで泣くことを我慢してきたモモちゃんの溢れる涙。家族でパパを葬るお話も。様々な現実を映す15編が収録。2023/06/21
Mika K
19
最終巻。これだけ初読。アカネちゃんはパパがいないことでいじめられている。泣きすぎて涙の海が出来てくじらが来てしまうくらい。中学生になったモモちゃんが頼もしいお姉さんになっていたけど、パパが亡くなって涙の海が出来るほど泣いていたのを読んでホッとした。我慢してたんだ、モモちゃんは。あとがきで松谷さん自身の実体験を元にしたシリーズだったと知り、お子さんへの愛が詰まった6冊だったなと感じてる。2018/11/18