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内容説明
「事実は小説よりも奇なり」というが、犯罪もその例外ではない。さえない中年男が妙齢の女性と次々に「婚約」し、多額の金をまき上げたが、変装に金をかけすぎて一文無しになった―これは「ハワイ生まれの青年医師ケニーさん」の喜劇めいたサギ事件であるが、人が悪口を言いふらしているとの妄想から、無関係の人を突然銃で大量虐殺した教頭ワグナーのゾッとするような事件もある。犯人の動機は何だろう、またその性格や生活環境は?小平事件など世間を騒がせた大犯罪を紹介しながら、人を犯罪に走らせた要因に迫る。
目次
何が彼らをそうさせたか?
サギ師の群
えん罪はなぜ起こる?
ノイローゼが高じて…
現代の犯罪
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yuki
16
精神科医の著者による犯罪心理学入門書。1990年出版ということで少々古さも感じるのだが、有名な事件、映画、文学作品を例に挙げて分かりやすく解説してくれている。犯罪者たちの心理だけでなく、冤罪についても触れられており、中でも「自白の心理」については勉強になった。犯罪心理学は以前からとても興味があったのだが、残念ながら私の大学ではそのような講義がない。だから、独学で知識を増やしていきたいと思う。2013/06/30
ミノムシlove
7
《結婚詐欺師は白馬に乗って現れる》というフレーズが秀逸。犯罪研究としてやや古いところがある。ベレー帽にルパシカのあの事件の犯人がなぜイニシャル表記だったのだろう。2023/06/02
中島直人
5
心理学の本として普通に面白い。ある意味限界環境に置かれた人の心理。2017/06/05
SKH
5
一昔前の犯罪心理学。199X。2015/04/28
しばっち
1
少し古い猟奇的な事件の犯人の背景を分析したもの。戦前〜戦後の混乱などもあるが、貧困や差別など原因は現代でも解消されていないものだと。人間が生きていくために「社会性」を選択したにもかかわらず、その「社会」からはじかれるように、罪を犯してしまう。それも人類の業なのでしょうか。2018/12/23