出版社内容情報
ぼうしの中には、まだ夏がある。
みんなであそんだ、あの海が。
「絵本にっぽん賞」受賞、「よい絵本」選定の名作を、新装版で!
竹下 文子[タケシタ フミコ]
著・文・その他
いせ ひでこ[イセ ヒデコ]
著・文・その他
内容説明
ぼうしの中には、まだ夏がある。みんなであそんだ、あの海が。「絵本にっぽん賞」受賞、「よい絵本」選定の名作を、新装版で。
著者等紹介
竹下文子[タケシタフミコ]
1957年、福岡県生まれ。東京学芸大学教育学部卒業。デビュー作の童話集『星とトランペット』(ブッキングより復刊)で野間児童文芸推奨作品賞を受賞。その後、1996年に「黒ねこサンゴロウ」シリーズ(偕成社)で路傍の石幼少年文学賞を受賞するなど、絵本・童話の作品を多数発表している
いせひでこ[イセヒデコ]
伊勢英子。1949年、北海道生まれ。東京芸術大学デザイン科卒業。絵本の制作と、展覧会を通した精力的な表現をおこなう(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
80
夏の追憶の絵本。女の子のむぎわらぼうしには一つの夏の思い出が詰まっています。少しずつ陽が短くなって、むぎわらぼうしもくたびれてきたけど、まだ、もう少し、あとちょっとだけ……。思い出の中の海はどうしてあんなにきらきら輝いているのだろう。いせひでこさんの描く青はいつみても美しい。2015/07/26
kanegon69@凍結中
69
とってもファンタジーを感じる絵本です。この少女は夏が大好きなんでしょうね。大好きな夏が過ぎ去ってしまった事が残念で、いつまでも麦わら帽子を手放せない。麦わら帽子をズンズン被ると、いつの間にか麦わら帽子に包まれて夏の海岸へ。そう、太陽が降り注ぎ、キラキラ光る波際の海岸、大好きな夏。あぁ、もう本当に終わっちゃったんだね、大好きな夏、、少女の心の中でようやくすこしあきらめがつく、、そんな少女の感じた夏が過ぎ去る事への寂寥感をうまくとらえ、ファンタジックに描いた一作。いせさんの絵が少女の心情をよく捉えています。2019/10/20
ままこ
69
去り行く夏を惜しむ女の子のリリカルな絵本。さらさらさら…波が押し寄せ、ぷくぷく…弾ける波しぶき。たぷんたぷん…波のうねり。いせさんが描くエメラルドグリーンの海にうっとり。女の子の気持ちと共に青色の季節からセピア色の季節へと移りゆく。2018/08/31
はる
62
夏の終わり。いせひでこさんの海の色使い、光の表現が素晴らしい。引き込まれます。ああ、これは妹あるあるですね。少し年上の姉や男の子たちに圧倒的に敵わないんです。力も考えも。その感じが良く描かれているし、共感してしまう。ラストはちょっと感傷的に。2021/01/25
Smileえっちゃん
43
秋の日、お姉ちゃんと出かけることになったるるこちゃん。夏の初めに買ってもらったむぎわらぼうし・・・「空きなのにおかしいよ」と言われてもかぶりたかった。かぶると麦わらのにおいとともに、夏の海辺で遊んだ出来事がよみがえってきた。強くかぶった為、つばが破れ、その隙間から、夏が出て行ってしまった!帽子もかぶることが出来ません。夏にももどれません。でも心にしっかり思い出は刻まれていることでしょう~竹下文子さんのすてきな文章に、いせさんの絵の女の子のしぐさ、可愛い!ブルーの色使いも素敵です。2015/04/16