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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
GaGa
35
ミステリーの名作トリックが成立するのかを科学的に考察した本。密室の章ではディクスン・カーやアガサ・クリスティーの名作をぶった斬り。心理トリックではヴァン・ダインと坂口安吾を比較してどちらかを大いに持ち上げ、もう片方を限りなくこき下ろしている(著者は故人であるが、生体情報科学の教授で、作家の趣味も偏り気味・笑)クィーンの「Zの悲劇」を随分と褒めている。忘れてしまっているので今度読んでみよう。2010/11/12
いちろく
30
紹介していただいた本。日本のカテゴリでいう新本格以前の国内外のミステリの紹介本。著者が検証する科学的現実性を主観に置き、作品のトリックを解説していく形式。有名作家の有名作に対しても、科学的現実性が満たされていなければ、忖度なく批判を述べているのが、本の主旨を通している点で興味深かった。柳田理科雄の『空想科学読本』に少し近い印象を感じた。トリック解説に主観を置いている分、紹介される作品数が限られる点は仕方がないけれど、残念だった。 2021/05/07
しろ
7
☆7 名作推理小説のトリックの合理性をバカ真面目に検証している。こうして見ると、虚仮威しのなんと多いことか。現実的なトリックの方が少ないくらい。いや、だから面白いんだけど。そしてそこに現実と幻想のゆらぎも生まれるし。著者の検証も細かすぎないから楽しく読める。形式論理と感覚の違いには納得。論理的に可能でも精神的には可能とは限らない。スポーツなどに取り組んでいた人ならわかるはず。まあ、著者も述べてるけど、あり得ないこともないというもの。とりあえず、ポーがすごいのはわかった。2012/02/02
Gen Kato
2
「科学する」というには「科学を成立させている基盤」である「感性」の説明がいささか隔靴掻痒な感もありますが、それを言うのも野暮かも。ともあれ、こうしたツッコミを入れつつ読むのもまた推理小説の醍醐味であります。2017/02/08
ipusiron
0
20年ぶりの再読。2015/05/04