出版社内容情報
【内容紹介】
悪名高い海外旅行から驚異的な経済発展まで、日本人の行動は世界の大きな謎にすらなっている。著者は「頑張る」「けなげ」などの日本語特有の表現や、「ユイ」というようなムラ的共同体のあり方、庶民の心情を映しだす鏡である歌謡曲などの分析をとおして、他律と集団の論理が日本人のあらゆる行動をいかに深く規定しているか鋭く解明する。豊富な海外体験にもとづく比較文化論的発想と多年にわたる民俗学的調査に裏付けられた本書は、平明な語り口、ユニークな着想、豊富な実例できわめて説得力ある日本文化論として読者に迫る……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
27
日本人は他律的であり自我が定まっていない、ということをガイド過剰な電車のアナウンスやレッテル信仰などを例に説明している。農耕民族としてのムラ社会にその起源を見るという分析は納得できた。なかなか手厳しい本ではあるが、日本人の考え方をつかむには良い資料になるのではないだろうか。2014/07/03
酒井一途
0
資料として一応通して読んだが、下らない本であった。「個の論理は本音であり、集団の論理はたてまえ」という批判的意見がすべて。確かに日本人の性質に批判されるべき点はある。しかしながら他にない美徳も有していることを無視してはならない。それらすべてを批判するのならば、それは日本人という民族全体への否定的見解に他ならない。概して愛のない文章であり、段々腹が立ってきた。ただ単にあれが駄目でこれが駄目でと挙げつらっても仕様がないだろう。読んでいる内に、日本人の擁護をしたくなってきてしまい、まったく本末転倒である。2012/05/18