出版社内容情報
悪魔と少年の幻影に憑かれた天才画家、夭折詩人、そして耽美怪異の伝奇作家であった村山槐多の主要な文業を「伝奇と怪異」の視点から集成した待望の一巻本選集。槐多的文学の正系を継ぐ現代の異端作家・津原泰水が槐多の生涯を書き下ろした中編小説も併録!
内容説明
悪魔と美少年の幻影に憑かれた天才画家にして夭折詩人、さらには耽美伝奇小説の魁として、かの大乱歩にも鍾愛された紅蓮の怪童・村山槐多。本書は史上初めて「伝奇と怪異」の視点から、その絢爛たる文業を一巻に集成した文庫版選集である。槐多に捧げられた最良のオマージュというべき乱歩のエッセイと槐多的「幻視の文学」の正系を継ぐ現代の鬼才・津原泰水が、槐多の生涯をテーマに書き下ろした中編小説を併録。
著者等紹介
村山槐多[ムラヤマカイタ]
1896年、横浜市に生まれる。京都府立第一中学校卒。上京後、日本美術院研究生となり、「湖水と女」をはじめとする油彩画で院展に連続入選、新進画家として注目を集める。また詩作や「悪魔の舌」などの怪奇小説にも特異な才能を発揮したが、1919年、結核のため満二十二歳で夭逝した
東雅夫[ヒガシマサオ]
1958年、神奈川県横須賀市に生まれる。早稲田大学文学部卒。ホラー評論家、アンソロジスト、『幻想文学』編集長
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
コーデ21
12
読み友さんのレビューで「悪魔の舌」を知り、さっそく図書館で借りてきました。不覚にも村山槐多初読みです。でも「悪魔の舌」は以前どこかで読んだような気もチラリ。芥川的な鋭利なまなざしを感じる作品ですね。私としては「魔童子伝」「魔猿伝」に強く心惹かれ~☆まさに「伝奇と怪異」というにふさわしい大傑作では?泥臭さの中にもスピード感溢れ圧倒的な語りに胸轟かせられました(〃∇〃)2015/04/27
TKK
7
江戸川乱歩がオマージュとして作品に取り入れたほど影響を受けたといわれる。青空文庫で「悪魔の舌」を読んだ。病的な奇人ばかりが集う宴で出会った青年から託された遺書。そこには悪夢的な戦慄なる事実が記されてあった。本業は洋画家ですが、小説は趣味丸出しで書いているのが想像できる。小品ながらその筆力にぐいぐい惹かれた。2015/04/17
コーデ21
5
再読。改めて槐多の「火だるま」ぶりに感嘆! 短い人生(22歳で他界)の中で描かれた絵画も鬼気迫る迫力だけど、小説や詩から発せられる熱量も圧倒的☆ 今月は他にも村山槐多関連の本を数冊借りてるので、しばらく槐多まつりの予定です^^2019/08/30
iT_SMK
1
☆32015/08/26
真琴
1
悪魔の舌を読みました。読んでいる最中はじわじわとおかしくなっていく感じがするのに、読み終わってみれば最初からすべて狂っていたように思えました。2015/05/31