出版社内容情報
朝日新聞のルポルタージュ連載記事の書籍化。福島の原発事故による放射汚染の被害実態を、現地の取材をもとに徹底検証。
朝日新聞のルポルタージュ連載記事の書籍化。福島原発事故による放射能汚染は、なぜこれほど多くの被害者を生んだのか。政府、官僚、東京電力、そして住民。それぞれに迫った、気鋭の取材記者たちの真実のリポート。
【著者紹介】
2011年3月11日、福島第一原発の破綻は日本のありさまを大きく変えた。数多くの「なぜ?]を解き明かすため、朝日新聞報道局につくられた取材班。
内容説明
史上最悪の放射能汚染はなぜ起こったのか官僚・政治・東電の罪を問う。
目次
第1章 防護服の男
第2章 研究者の辞表
第3章 観測中止令
第4章 無主物の責任
第5章 学長の逮捕
第6章 官邸の5日間
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
218
福島の原発事故をめぐるルポルタージュ。2011年10月3日から朝日新聞に連載され、今も続いている。これを読むと、原発事故への対応がいかに杜撰になされてきたのかが実によくわかる。菅首相(当時)をはじめとした官邸は努力は傾けたようだが、いかんせん能力に限界があった。しかし、何よりも問題があったのは、原子力保安院と原子力安全委員会である。信じられないことに、保安院の院長は経済学部卒の官僚で、技術的なことは何もわからなかったのだ。そして、SPEEDIを活用することなく、あたら人的被害を拡大させてしまった。2013/09/08
やっち@カープ女子
54
今までの情報の断片がこれを読んで繋がった感じ。記者さんが誇りを持って記したものなので信憑性もある。災害後もきちんと行列を作る国民性を信用せずに上層部は国民のパニックを恐れたとぬかす始末。退職してすぐに現地に駆け付けてくれる研究者もいるし、何が正しいかを自分で判断して見極める力が必要だと強く思った。2013/11/29
団塊シニア
36
本書は福島第一原発に潜む真実を報道してる。これだけの重大事故を引き起こしてるにもかかわらず、誰ひとり責任を取らず逮捕されることもない。福島第一原発事故の検証も終了せず、ストレステストの安全神話で再稼働はありえない。2012/05/12
ゆみねこ
33
朝日新聞を読んでいないので、この本にはちょっと興味を魅かれて読んでみた。この国には無能な政治家とリーダーたるべき人物が欠如していたということを改めて認識した。自己保身と言い訳だけが上手くなる…。何も知らされなかった汚染地域の人々が気の毒でならない。福島県にたまたま居合わせた私はリアルであの爆発映像をみて絶句したんだよね。。2013/01/07
TCD NOK
31
原発事故当時から、東電の態度には腹が立ってしょうがなかった。既得権益と保身のためか、最初は社長が全然記者会見もせず、政府に情報の提供もせず当時の管首相が怒鳴りちらしていたのが印象にある。民間会社といっても、電気代は公共料金でそれを扱い徴収するのが電力会社だろう?あと、原発近くのゴルフ場が除染代を東電に求めたところ、「飛散した放射能はもう我が社の保有物ではありません」と回答したこと。もう本当に東電は潰れてほしい。そして原発は全て廃炉に!地元茨城も東海第二原発の避難計画はメチャクチャだぞ。2019/09/15