学研新書
瓦礫を活かす「森の防波堤」が命を守る―植樹による復興・防災の緊急提言

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  • サイズ 新書判/ページ数 259p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784054050914
  • NDC分類 656.5
  • Cコード C0230

出版社内容情報

東日本大震災の瓦礫を利用して植樹をし、長大な緑の防波堤を築く…4000万本の木を植えた著者による、逆転の復興プラン!

その土地本来の植生に基づいた「ほんものの森」は、東日本大地震による津波に負けず生き残った。その防災力に着目した著者は、瓦礫を利用して植樹をし、長大な緑の防波堤を築くことを提言している。4000万本の木を植えた著者による逆転の復興プラン!

【著者紹介】
横浜国立大学名誉教授。世界各地で植樹を推進する現場主義の植物生態学者として、これまで国内外1700カ所以上で植樹指導し、4000万本以上の木を植えている。『植物と人間』『木を植えよ!』など著書多数。

内容説明

瓦礫を活用して、命を守るふるさとの森をつくる…!甚大な被害をもたらした東日本大震災の津波に耐えて、「その土地本来の樹木」はたくましく生き残り、その防災力を証明した。4000万本の木を植えた著者が提案する「森の防波堤」は、震災復興のため、将来の安全な暮らしのため、そして日本人の心を支えるための、遠大なプロジェクトである。

目次

まえがきに代えて 緊急提言!被災地跡に「森の防波堤」をつくろう
第1章 三・一一で証明された「本物の森」の防災力(津波に耐えて生き残ったタブノキ;あらゆる人工物を破壊した大津波 ほか)
第2章 日本人にとっての「いのちの森」(森はいのちの源;このままでは一〇〇年後に森が消滅する? ほか)
第3章 災害に強い多層構造の森(原爆の跡に芽声えていたタブノキ;タブノキにまつわる忘れ得ぬ想い出 ほか)
第4章 がれきを利用した「森の防波堤」プロジェクト(がれきを構造物として生かす知恵;環境先進国ドイツの事例に学ぶ ほか)
第5章 愛する者を守るために、木を植えよ!(いのちを守り、心を豊かにする森の力;日本の戦後の復興を支えたエネルギー源とは? ほか)

著者等紹介

宮脇昭[ミヤワキアキラ]
横浜国立大学名誉教授、IGES‐国際生態学センター長。世界各地で植樹を推進する現場主義の植物生態学者として、これまで国内外1700カ所以上で植樹指導し、4000万本以上の木を植えている。新日鐵、イオンなど企業と連携した植林活動も多く手がけている。1970年『植物と人間』で毎日出版文化賞、1991年『日本植生誌』(全10巻)で朝日賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

James Hayashi

31
瓦礫と化した三陸海岸。その復興のアイディアに有害物質を除いた瓦礫をうまく利用し、災害対策になり未来への街づくりにも役立つ際立ったプラン。海岸で印象深いマツは、マツのみの単植林では防潮、防災とは不適である。瓦礫を砕き土と混ぜ、瓦礫を土壌微生物が時間を掛け分解還元し緑の再生産として使われる方式が良いという。コンクリと比べ耐久性、維持管理費、見た目も良い。海外にも影響を与える植樹活動にも参加。都会の芝生公園など大火災に一溜まりもなく鎮守の森(タブノキを中心)の復活を提唱。この様な働きかけに行政は 続く→2019/01/09

ミナコ@灯れ松明の火

11
ご本人よりサイン本を頂いて読ませて頂きました。常に変わらぬ熱さと一貫した主張に頭が下がる思いです。特に今回は準備期間半年で緊急出版にこぎつけたとのこと。ご高齢かつ超多忙のスケジュールの中での尽力は本当に見習うべきところ。その土地にずっと根付いてきた、その土地の気候や土に見合った森は震災でも生き残っているという事実はもっと世間に知らされるべき。エコだ森づくりだ~とどうせ植林をするのなら、本物の森がいい。日本全国どこに行っても同じ森、ではなく、訪れる場所によって表情が違う森に出会えるだろうことも、楽しいことだ2011/11/13

Atsushi Nagata

1
タイトルに惹かれて購入したけど、肝心の瓦礫をどう集めて、どのように森に育てるのかというプロセスが大雑把なように思えた。その土地固有の樹種が最良という点には興味を持ったが、それ以外はなんだかなぁ・・・。なんか説教臭いようなところもあるし。ただ、林業や里山だとかに関心がある人には面白いかもしれない。2011/11/28

tsu55

0
震災後いち早く出版された本書では、地中に穴を掘って、震災によって出た大量のがれきを土と混ぜたものを埋め、「マウンド」を作り、そこに土地本来の常緑広葉樹を植樹し、「森の防波堤」作ろうと提言している。 今回の震災ではコンクリートの巨大な堤防が津波によってものの見事に打ち砕かれ、また、松や杉などの樹木も簡単に押し流されてしまった。ところが、タブノキなどのその土地本来の直根性の樹木はおおかた流されずに残っているという。 津波の巨大なエネルギーを森の防波堤で粉砕するというのは、ユニークで面白い考えだと思う。

炊き込みごはん

0
潜在自然植生という考え方には感服する。しかし、著者の本物の森が津波に強いという主張は疑問だ。また、照葉樹を優れたもの、針葉樹を劣ったものと決めつけている。あとがきでもあるが、文中で重複が度々ある。重複を削ったらページ数は半分以下になるのではないだろうか。震災後、人々をある意味洗脳するために急いで書いたように感じられる。改訂版があるようなので、そちらでは科学的な証明がされ文章の推敲もされているだろう。読みたいと思う。2014/06/27

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