内容説明
人生はあまりにも早く過ぎ去り、ボクらに理解しているヒマなんかない。ここは投資銀行アトランティック・パシフィック社。シド・ギーダーは、“担保付き債券の帝王”と呼ばれる辣腕セールスマン。連銀議長を大バカ呼ばわりしているのは、タフな美人リサ・リサ。会社人間ニッケルは、吹雪の中でも手袋ひとつ売れない役立たずのハゲ。新入りのイジノウは、何をしでかすかわからない型破りな問題児。野心家のセールス・マネージャー、コヨーテ・ジャックは部下に無理なノルマを押しつけるしか能がない。戦場さながらのセールス・フロアでは、破綻した貯蓄貸付組合の負債の穴埋めにゴミ同然の債券が売られ、破産状態の東欧の小国へ怪しい融資が組まれ、終いにはドミニカ共和国乗っ取りの画策まで始まる始末…。ハイテク情報経済の真っ只中で、ヴァーチャルなマネーに翻弄されるビジネス・エリートたちの悲哀を描き出す壮大なカリカチュア。