ブランドはなぜ墜ちたか―雪印、そごう、三菱自動車 事件の深層

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  • サイズ B6判/ページ数 300p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784048836517
  • NDC分類 335.21
  • Cコード C0095

出版社内容情報

2000年夏、日本を代表する名門企業が相次いで不祥事を起こした。食中毒事件の雪印、経営が破綻したそごう、リコール隠しの三菱自動車……危機管理能力の欠如した企業の実態を追い、日本企業の病巣を探る。

内容説明

2000年夏、日本を代表する有名企業が、相次いで存在意義を問われる事件を起こした。雪印乳業による集団食中毒事件、そごうの空前の経営破綻、三菱自動車工業によるリコール隠しの露顕である。業態が異なるとはいえ、一連の事件に共通するのは、危機管理能力の欠如と社会的責任意識の低さであった。戦後日本社会の制度疲労がもたらした“事件”の根は、この三社にとどまるものではなく、広く、深い。“事件”の検証を通して、日本企業で、いま何が起きているのかを問うドキュメント。

目次

第1部 雪印―崩壊したブランド神話(「もう飲まへん」―失われた信用;「全社員に告ぐ」の教訓;全国展開の基盤、大阪工場の実態;酪農家の離反 ほか)
第2部 そごう―失速した拡大路線(破綻した名門;歴史の荒波にもまれて;突っ走った拡大路線;「神様」と呼ばれた男 ほか)
第3部 三菱自動車―ユーザー無視の組織弛緩(「三菱」という呪縛;きしむ経営判断;蔓延した大企業病;外資との闘い ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

aika

17
高名な大企業による不祥事について仔細に取材、検証してあり、すごく読み応えがありました。これらの不祥事は私がまだ幼い頃のことなのですが、記憶に残っています。人命にも関わる不祥事を起こした巨大組織の闇は想像以上に深く、企業倫理の実践とマネジメントがいかに困難であるかまざまざと思い知らされました。組織に根深く存在する、油断や怠慢、馴れ合いや依存、権威主義。それらを一掃して、企業が再生するためには、企業を成す経営陣から社員ひとりひとりに至るまで、身を切る覚悟での不断の努力と長い年月が必要なのだと改めて感じました。2015/02/06

星落秋風五丈原

3
いずれも大企業であったために、 その裾野に広がる人々への影響たるもの大であった事を改めて感じさせる。 一度失われたブランド。それを取り戻すために必要な事は、雪印乳業の初代社長 佐藤貢氏の言葉が最も的確に表わしていると思われる。 「信用を獲得するには長い年月を要し、これを失墜するのは一瞬である。そして 信用は金銭では買うことはできない。」2003/03/28

ジャンズ

2
2001年出版。17年前のこと。そして去年2017年には神戸製鋼、日産、スバルが偽装、データー改ざんで問題を起こした。それ以前には東芝が大きな事件を起こした。JALも破綻した。企業のブランドではなく、今は日本ブランドが堕ちてしまった。2001年のこの3社の事件と同じ轍を踏んでいる現在。筆者が「日本という国が変質し始めていることを暗示している」と書いている。失敗を踏み台にした雪印の難病小児向けの粉ミルクへの支援に反省と再生の意気込みを感じた。これからの日本、期待したい。2018/01/17

Tera

2
2001年の出版ながらとても興味深く読めた。 なんにしても、保守主義、改革を進めない事勿れ主義。失敗から学ぶ部分も多い。2013/05/25

Nautilus

2
食中毒を起こした雪印、破たんしたそごう、クレーム隠しが発覚した三菱自動車を追ったノンフィクション。初版が2001年1月だから、翌年に発覚した雪印食品の牛肉偽装事件や、2003年の三菱ふそうトラック・バス関連のリコール隠しは含まれていない。素晴らしかった会社が過信やおごり、怠慢や甘えで徐々に悪くなっていく。見かけはいいが硬直した組織はトラブルを起こしやすく対応も鈍い。信用を無くすのは一瞬だ。どうすれば防げるのか。少なくとも社員に”コンプライアンス”を唱えさせるだけでは無理だろう。2010/05/08

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