出版社内容情報
ガイドライン関連法案、日の丸・君が代法、盗聴法、オウム法があっさり成立し、石原都知事が誕生した1999年はどういう意味を持つのか。作家と哲学者が縦横に意見をぶつけ合う、東京新聞上反響を呼んだ骨太対談。
内容説明
1999年、この国が犯した大いなる過ちとは?2000年以降に落とす影とは?時代はどう暗転しつつあるのか?どう対処すべきか?気鋭の作家と哲学者による根源的分析と異議申し立て。緊急討論。
目次
1999年問題の重大性
戦後民主主義の限界
リアリティーの喪失
歴史の開かずの間
身体的記憶の復活
不可思議な全体主義
五十四年目の「君が代」
見えない強制
駄作としての資本主義
何を子どもたちに言うのか〔ほか〕
感想・レビュー
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ハンギ
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1999年夏に4つの法律ができた。周辺事態法、盗聴法、国旗国歌法、改正住民基本台帳法の4つである。この4つの法律の成立後、広く社会についてジャーナリストの辺見庸と哲学研究者の高橋哲哉が対談を行ったもの。辺見の感覚はとても研ぎ澄まされていて、いい意味で詩的だなあと思った。辺見は記者時代に新左翼抗争、中国共産党取材(中国から追放される)、ポルポトの虐殺、そして慰安婦の取材を通して、「目が焼かれる」と形容できる体験を持っているらしい。慰安婦が官給品のコンドームを手で洗わされる話は確かにショックだった。2012/05/02