出版社内容情報
実に恐るべきは長幼の序であるよなあ・・・。外道シリーズ、第2弾!
はるか年上の演出家、宗田さんに外国に行ってテレビに出演しろ、と言われ、そんなことをするのは嫌で仕方なかったのだけれども、無下に断るのも憚られ、話だけでも聞こう、と思ったことからすべては始まった・・・。
内容説明
世に外道の種は尽きまじ。『実録・外道の条件』から八年。最新長編小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kazi
19
苦労して入った大学で勉強などせず、サークル活動もせず、講義も段々といかないようになり、誰とも話さなくなり、無人の市立図書館でグズグズと腐っていた、ズブズブな時期によく読みました。何といったら良いかこの作家・・、モラトリアムみたいなものと非常に親和性がありますね。ブコウスキーのドキュメンタリーを撮りにNYに赴いた一同が腐っていくのを打ち眺めながら、「ああ、こんな愚劣なものを読んでニチャニチャと薄ら笑っていてはいかんのだがなあ・・」、と寒く感じた当時の記憶がよみがえり、何とも言えん気持ちになりました。2020/06/24
nbhd
14
ひさびさ身につまされる読書だった。熱湯的な火傷なのか、ドライアイス的な火傷なのか、とにもかくにも読んでしばらくヒリヒリしている。ウソとマコトの境目モヤンとした町田康の海外ドキュメンタリー撮影記、さながら地獄めぐりの様相。しかし、この本、個人的には非常にイタタタタである。片腹グサリである。というのは、末端であれ、ぼくはヒシャゴやチャルベら、いわばギョーカイの側のほうに居り、町田先生がたらふく抱えた腹立たしさもゴモットモと思いつつ、完成形をある程度見据えて撮影するというのもよぉく理解できるからなのです…2014/05/13
miroku
9
延々と綴られる「あかんではないですか」。ああ…気が滅入るなぁ。2011/10/01
きょん
8
ブコウスキー(!)の生涯をパンク作家マチダコーの眼を通して描く、というテレビ企画に参加することになったマチダ氏。しかし相変わらず外道どもに翻弄され、撮影フィルムはお蔵入りとなる。これ実話?だとしたらブコウスキー&町田康というファンにはたまらない取り合わせを反古にしたテレビ業界人を憎む!(*´∇`)2014/05/19
エリ本
7
読みやすくて面白かった!話の通じない人達(テレビのプロデューサーとディレクター)相手に、意思の疎通を図るべく奮闘するマーチダさん。笑える不毛な会話とぐだぐだの撮影の旅。フィクションなんだけどノンフィクションのつもりで読むのが楽しい😆2021/03/18