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虚像(メディア)の砦

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  • サイズ B6判/ページ数 361p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784048736251
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

民放キー局のPTB(プライムテレビ放送)は、人気キャスター・福森の激しい政府批判で知られる「プライム・ニュース」が看板番組。ある日、ディレクター・風見のもとに、中東のイスラム共和国で日本人が誘拐されたとの情報が入る。しかし、かつて報道の暴走が、カルト新興宗教の犯罪を招いた“事件”で萎縮していた上層部は、そのスクープを見送ってしまう。また、PTBのバラエティ番組で“ミスター視聴率”を異名を持つプロデューサー・黒岩は、若き日に親友と追い求めた“無敵の笑い”から、どんどん遠ざかっている自分に苦悩し始めていた。一方、民放各局の再免許を控えた総務省の調査官・織田は、与党政治家たちから、PTBへの厳しい指導を迫られ辟易。自らの職責の曖昧さに戸惑っていた。そんな中、PTBが経営危機に直面しているとの報告が飛び込んでくる…。

著者等紹介

真山仁[マヤマジン]
1962年、大阪府生まれ。同志社大学法学部政治学科卒。読売新聞記者を経て、フリーライターに。2003年大手生保の破綻危機を描いた『連鎖破綻ダブルギアリング』(著・香住究(共著)ダイヤモンド社)でデビュー。04年12月『ハゲタカ』(ダイヤモンド社)で、単独の作家としてデビュー
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kotte

14
オウム真理教による坂本弁護士一家殺害事件とイラク日本人人質事件がモデルになったフィクションです。真山仁さんの作品らしく、徹底的な取材に基づいて書かれているのでしょう。かなり昔ですが、今でもイラク日本人人質事件が発生した際の自己責任論は思い出せます。真山仁さんはあくまでフィクションとしていますが、あの事件の背景に本書のような動きがあったとしても不思議ではないな…と考えながら読みました。ハゲタカシリーズとは違った読み応えがある本ですので、皆様にもオススメしたいです。2017/03/15

yasu_z2

4
実在の事件を絡ませている、特に国会議員への事前検閲など耳が痛い! ただし、話としてはつまらない。他の作品と比べると今ひとつ感だった。2012/12/17

いずみ

2
真山仁、読ませるなぁ。やはり好きだなぁと再確認。参考資料まで読みたいと思わせてくれる2017/01/05

たに

2
★4 再読。物語の構成上重要な事件の、モデルとなった事件がいくつか浮かんだが…それらを活かしながら、伝えたい事は伝わってきた。画一的な番組や明らかな情報のイメージ操作。テレビを余り見なくなって久しい。テレビ局の存在意義とは一体何なのであろう。願わくば、風見の様な方が一人でも多く出てこられる事を祈っている。2016/01/03

majimakira

2
テレビ局というマス・メディアを陰で包み込んでいる更に巨大な力、それも一つに止まらぬ、様々な方向からのびる力の実態が垣間見えるとてもスリリングな展開!現実に起こった2つの事件をモチーフにしていることが明らかであり、それらの舞台で絡み合う当事者(被害者、テレビ、並びに上述の様々な力)がリアルとフィクションのどっちつかずで読む側を惑わせる面白さです!特に、人質「自己責任論」のくだりは、政府の思惑説がリアルに映り、尚且つ主人公の主張から展開する「人質自身が責任を果たした」という論理には思わず唸ってしまいました。

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