アスキー新書
代理ミュンヒハウゼン症候群

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  • サイズ 新書判/ページ数 232p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784048687010
  • NDC分類 369.4
  • Cコード C1236

内容説明

わが子を病気にしたがる親がいる。―「代理(人による)ミュンヒハウゼン症候群」。子の病気をつくり出し、医師をはじめとした医療機関を巻き込んで子に不必要な検査等を受け続けさせ、長期間の入院を歓迎する。なぜそんなことをするのか?この不可解極まりない現代的な社会病理現象を、新進気鋭の法医学者が解説。

目次

第1章 代理によらない「ミュンヒハウゼン症候群」
第2章 代理ミュンヒハウゼン症候群とは
第3章 MSBPの母親の特徴とは
第4章 子どもを病気にするために、彼女たちがすること
第5章 日本で報告された代理ミュンヒハウゼン症候群
第6章 「病気」か「犯罪」か
第7章 点滴汚染水混入事件
第8章 MSBP概念はどこに行くのか?

著者等紹介

南部さおり[ナンブサオリ]
高知県生まれ。医学博士。横浜市立大学医学部医学科法医学教室助教。97年、神奈川大学法学部卒業後、明治大学大学院法学研究科博士前期課程に進学。法学修士取得後、横浜市立大学大学院医学研究科博士課程に進学。同学在学中、日本学術振興会特別研究員も兼務。05年、横浜市立大学医学部法医学教室助手に就任。07年より現職。法医鑑定と刑事司法の問題を中心に、医学・法学の両面にわたる独自の研究活動を行なう。特に児童虐待に関する業績は多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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どんぐり

87
代理ミュンヒハウゼン症候群は、母親が自分の「子どもを代理として」病気の状態をつくり、かいがいしく面倒をみることにより自らの心の安定をはかる行為で、児童虐待にとらえられる。病気による利益を獲得することが目的で、子どもの命を危険にさらし、時には死に至らしめる。果たして、これはいったいどんな心の病みによってなされるのか、本書はこの実像に迫るものである。入院中に点滴内に汚物を混入されて死に至ったケースや、次から次と子どもの不審死が明らかになるケースなど、まるでミステリー小説を読んでいるようで闇は深い。→2022/05/10

カッパ

13
このような形の児童虐待もあるのかとともびっくりした。まあ、毒を盛ったりするのはおかしいことといえばそうである。 元ミュンヒハウゼン症候群の特徴をもつ母親が多いそうなので自分を偽るだけではなく自分の一部という子供を痛めつけるのもいとわないのであろうか。はなはだ理解にくるしむ。 否認することがおおく、人格障害ともいえるらしいので大きく偏った人が弱い子供におこなうことなのかもしれない。 早期発見が大切である。2019/09/20

gtn

11
我が子を傷害し、かいがいしく看病することで、悲劇の母を演じる代理ミュンヒハウゼン症候群。それを「病気」と称することに著者は反対する。正常な判断で行なった虐待行為なのに、それを病気と見做すと、正当な量刑が望めないと危惧する著者。同感。正邪の判別がつくので心神耗弱ではないが、依存症と同様、ずるずる過ちを繰り返してしまうのだろう。生命の癖を断ち切る以外にない。2019/05/05

春風

7
たいへんマイナーながら話題性十分のこの疾患についての初めての一般向け成書。国内外の症例を豊富に取り上げた上に、この病名の弊害にまで触れていてバランスが良い。2010/07/28

Kentaro

6
不遇な子供に対して、献身的に看病し、悲劇でありながら称賛される母親を演じる人たちの事を代理ミュンヒハウゼン症候群(MSBP)と呼ばれる。 ミュンヒハイゼンとは、話が上手でほら話を面白おかしく話していた人物であるが、医学会では自分の身体を傷つけ重篤な病気であるかのように降るまい入退院を繰り返す人たちの偽装、嘘をついている人たちの病名となり、これが自分の身体ではなく、自分の子供に対して過剰な薬物や腐ったもの飲食をさせ、原因不明の中毒症に見せかけたりすることを代理ミュンヒハイゼン症候群と名付けたものである。2018/02/22

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