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新・世界の神話
ペネロピアド

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  • サイズ B6判/ページ数 227p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784047915091
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

内容説明

紀元前8世紀頃の古代ギリシア叙事詩のひとつで、詩人ホメロスがトロイア戦争を描いた「イリアス」の続編にあたる、壮大な冒険物語「オデュッセイア」。英雄オデュッセウスの妻であり、トロイア戦争の原因となった絶世の美女ヘレネを従姉にもつペネロペイアは、そのなかで徹底的に貞節な妻として描かれている。夫オデュッセウスがトロイア戦争に出征して20年余り、ひとり孤独に待ち続けた日々。その間、王なき王国イタケーを守るため、あられもない噂話に耳をふさぎ、向こう見ずな息子を育て、財産目当てに押し寄せる数多の求婚者たちを必死に追い払う。一方、怪物を倒し女神と寝たりの旅を経てついに帰還を果たしたオデュッセウスは、求婚者たちを惨殺する。そしてペネロペイアの12人の女中たちも…。待ち続けた従順な妻、ペネロペイアの本心。殺された12人の女中たちの真実。「オデュッセイア」では語られなかった、壮絶な運命を授けられた女たちの本性と謎を、今世紀最高の女流作家アトウッドが斬新にうたい上げる。

著者等紹介

アトウッド,マーガレット[アトウッド,マーガレット][Atwood,Margaret]
1939‐。オタワ生まれ。北オンタリオ、ケベック、トロントで育つ。トロント大学で学部課程を、ラドクリフ大学で修士課程を修了、その後ハーヴァード大学でも学ぶ。カナダ各地の大学で教鞭をとりながら、1966年に刊行した処女詩集『The Circle Game』でカナダ総督文学賞を受賞。70年代にはフェミニズム文学の旗手として注目された。小説をはじめ詩・評論・エッセイ・ノンフィクション・児童文学と幅広い分野で活躍し、その数35冊以上。30年に及ぶ執筆活動のなかで数々の文学・名誉賞を受賞。名実ともにカナダを代表する作家である

鴻巣友季子[コウノスユキコ]
お茶の水女子大学大学院修士課程英文学専攻、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

星落秋風五丈原

12
紀元前8世紀頃の古代ギリシア叙事詩のひとつで、詩人ホメロスがトロイア戦争を描いた「イリアス」の続編にあたる、壮大な冒険物語「オデュッセイア」。英雄オデュッセウスの妻であり、トロイア戦争の原因となった絶世の美女ヘレネを従姉にもつペネロペイアは、そのなかで徹底的に貞節な妻として描かれている。夫オデュッセウスがトロイア戦争に出征して20年余り、ひとり孤独に待ち続けた日々。その間、王なき王国イタケーを守るため噂話に耳をふさぎ、向こう見ずな息子を育て財産目当てに押し寄せる数多の求婚者たちを必死に追い払う。2006/02/06

viola

11
カナダ人女性作家マーガレット・アトウッド(初読)が書き上げた、ぺネロぺサイドの小説。あれ、思いのほか語り口が軽く、とても読みやすい。普段の鴻巣訳と全く違い軽妙な感じなので、原文が変わっているのでしょうねー。なぜ12人の女中が皆殺しにされたのか、その理由は結局シンボル説に。確かにもっとしっとりとしたなんというか「けなげに夫を待ち続ける妻だけれどたまに揺らぐ女心」的な小説も読んでみたいけれど、これはこれで面白いかな。ペネロピア、ド?と思っていたら、イリアッドのドから来ているらしいです。2012/11/10

Ecriture

8
ホラー映画を観た後にうしろを振り返るのが怖くなることがある。しかしそれは大抵幽霊やら殺人鬼が出てきて背後から襲われるのではという程度の恐怖でしかない。アトウッドの『ペネロピアド』はそうではない。これを読了した後、後ろを振り返ることは恐ろしくてとてもできないのだが、その恐怖は「これから自分が殺されるかもしれない」というものではなく、「既に自分が殺してしまった」という罪の意識から来ている。この作品にこもった怨念は私がどのように生まれ変わったとしても「後をついてくる」だろう。それだけのことを私はしたのだ。2011/05/23

Mana

7
ギリシア神話でオデュッセウスの帰還を20年間待ち続けた貞女の鑑とされるペネロペイアの視点から、この物語を語りなおす。ル・グィンのラウィーニアを思い出す。妻側の視点から語りなおすという段階で予想されるように、従来の物語への異議申し立てがベースとなってる。このペネロペイアのキャラクターは結構好き。2018/10/21

きゅー

6
『オデュッセイア』に描かれた事件をペネロペイアとその女中の視点から創作したのがこの作品。軽妙な語り口でユーモラスな作品だが、全体を通してみると「軽すぎる」という印象に落ち着くのでは。終盤の「オデュッセウスの審判 女中たちによるビデオ撮影」ぐらいまで到達するとはじけていて好きだったけれど、どうせならあのはじけさ加減で全編を通すか、もしくはペネロペイアと女中の愛憎劇に視点を置き、もっとしっとり読ませるタイプにでも良かったように思われます。残念、中途半端に感じました。2012/03/04

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