内容説明
紀元前8世紀頃の古代ギリシア叙事詩のひとつで、詩人ホメロスがトロイア戦争を描いた「イリアス」の続編にあたる、壮大な冒険物語「オデュッセイア」。英雄オデュッセウスの妻であり、トロイア戦争の原因となった絶世の美女ヘレネを従姉にもつペネロペイアは、そのなかで徹底的に貞節な妻として描かれている。夫オデュッセウスがトロイア戦争に出征して20年余り、ひとり孤独に待ち続けた日々。その間、王なき王国イタケーを守るため、あられもない噂話に耳をふさぎ、向こう見ずな息子を育て、財産目当てに押し寄せる数多の求婚者たちを必死に追い払う。一方、怪物を倒し女神と寝たりの旅を経てついに帰還を果たしたオデュッセウスは、求婚者たちを惨殺する。そしてペネロペイアの12人の女中たちも…。待ち続けた従順な妻、ペネロペイアの本心。殺された12人の女中たちの真実。「オデュッセイア」では語られなかった、壮絶な運命を授けられた女たちの本性と謎を、今世紀最高の女流作家アトウッドが斬新にうたい上げる。
著者等紹介
アトウッド,マーガレット[アトウッド,マーガレット][Atwood,Margaret]
1939‐。オタワ生まれ。北オンタリオ、ケベック、トロントで育つ。トロント大学で学部課程を、ラドクリフ大学で修士課程を修了、その後ハーヴァード大学でも学ぶ。カナダ各地の大学で教鞭をとりながら、1966年に刊行した処女詩集『The Circle Game』でカナダ総督文学賞を受賞。70年代にはフェミニズム文学の旗手として注目された。小説をはじめ詩・評論・エッセイ・ノンフィクション・児童文学と幅広い分野で活躍し、その数35冊以上。30年に及ぶ執筆活動のなかで数々の文学・名誉賞を受賞。名実ともにカナダを代表する作家である
鴻巣友季子[コウノスユキコ]
お茶の水女子大学大学院修士課程英文学専攻、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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