新・世界の神話
神話がわたしたちに語ること

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  • サイズ B6判/ページ数 162p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784047915084
  • NDC分類 164
  • Cコード C0097

内容説明

「人間は常に神話を生み出してきた」という言葉で始まる本書は、アームストロング自身の神話・宗教論をぎゅっと凝縮させた、まさに神話シリーズのガイドとなる一冊。いかにして神話というものが生まれ、世界各地で語り継がれてきたか。神話が単なるおとぎ話でなく、いかに人間にとってかけがえのないものであるかを、見事な論拠で描きだしてゆく。神話の歴史とは、人間性の歴史でもある。人間のイマジネーションから生み出された神話は、旧石器時代から現代に至るまで、様々なかたちで人々に生きる力を与えてきた。それはまさに芸術と同じ―本書を読めば、その力の壮大さにあらためて驚嘆せざるをえない。そして現代社会にはびこる病巣の根源が、近代の神話の変遷―科学による神話の失墜と密接につながっていることを、アームストロングは指摘する。

目次

1 神話とは何か
2 旧石器時代 狩人の神話(紀元前二万年‐紀元前八千年)
3 新石器時代 農耕の民の神話(紀元前八千年‐紀元前四千年)
4 文明の始まり(紀元前四千年‐紀元前八百年)
5 枢軸時代(紀元前八百年‐紀元前二百年)
6 枢軸時代以後(紀元前二百年頃‐西暦一五〇〇年頃)
7 西欧の大変革(西暦一五〇〇年頃‐二〇〇〇年)

著者等紹介

アームストロング,カレン[アームストロング,カレン][Armstrong,Karen]
1945年イギリス生まれ。1960年代にローマ・カトリックの修道院で7年間を過ごした後、修道院を去り、オックスフォード大学でイギリス文学を学び、学位を取る。ロンドン大学で近代文学についての教職についた後、女学校の英語教師に転向。1982年より作家・放送作家としての生活に専念する。また9.11以後、イスラムと原理主義についての執筆と様々な活動に力を入れている。現在、時折レオ・ベック大学でユダヤ教について教える他、ロンドンでも教鞭を執っている。1999年にはイスラム教徒公共問題協議会メディア・アワードを受賞している

武舎るみ[ムシャルミ]
1980年学習院大学文学部英米文学科卒。翻訳者。マーリンアームズ株式会社取締役(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アキ・ラメーテ@家捨亭半為飯

43
人類が文字を持たない時代から語り継がれ、必要とされてきた神話。神話と理性両輪がなければならない。エジプトやメソポタミアの神話時代から、一神教(3大宗教)の時代、舞台はヨーロッパ、中東へ。近代になるにつれ、科学は神話を迷信と退け片輪だけで進もうとするような状態。人々は絶望、無気力、無力感にとらわれるようになった。神話の無い時代、芸術が神話がわりに。引用>>現代の真空状態に足を踏み入れ、過去の神話の叡知をわれわれに改めて知らせようと努めてきたのは、宗教界の指導者よりもむしろ作家や画家なのである。2016/10/02

Akito Yoshiue

4
文章が美しく、内容も説得力がある。2016/06/27

nizimasu

3
神話の人類における位置づけというのはとてつもなく大きなものだった。それが徐々にその役割は変質しながらむしろ「物語」にまで矮小してしまったというのが今の神話であり宗教の役割でもあるのかなと思ってしまった。結局今の時代におけるマーヴェルのヒーローやハリーポッターといったファンタジーやヒーロー譚が神話の代替物になっているのではないかと思わされる。それはオカルトのブームなんかも同様で人間はどうも目に見えるものや短期的な現世利益的なものに惹かれる性格がありそれがインターネットの快適性と結びついているのはちょつと怖い2016/06/04

ダージリン

2
ページ数は少ないが読み応えあり。著者は西欧人でもあり、特に西欧における神話の在り方の変遷が見える。日本人からすると若干違和感を感じるところはあり、神話への対し方は西欧と他の文明では違うのだろうなあという気がする。冒頭にネアンデルタール人の墓が採り上げられているが、神話が生まれてくる原初のところは特に関心がある。古い時代のことはなかなか知る由もないが、遺跡など新たな発見を期待したい。2018/05/26

チャボ

1
神話を産み出したのは人間であり、現在を生きるのも人間なのに、何故神話は信仰として根付いていないのだろうか。神を忘れて人が人を支配する事を考えさせられる。得たものと、喪ったものはなんだろう。ロマンティックな文体が好きで、もう一度読みたい良書。2011/04/25

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