角川SSC新書
武器なき“環境”戦争

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  • サイズ 新書判/ページ数 215p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784047315327
  • NDC分類 519
  • Cコード C0236

内容説明

21世紀の世界の覇権争いは「環境」を舞台に繰り広げられる―。戦前の軍艦、戦後の核兵器に次ぎ、CO2排出量がいま、人類の最重要課題となった。国際政治の主役に躍り出たCO2を外交の“武器”に、「環境」という戦場で、どう戦っていけばいいのか?日本の進むべき道を提示する対論。環境から、世界の覇権、メディアリテラシーまで。“世界を識る”気鋭のジャーナリスト二人が、存分に語り尽くす。

目次

プロローグ ヨーロッパ発「環境の世紀」
第1章 「石油の時代」、終わりの始まり―
第2章 すべては「京都」から始まった
第3章 COP15は、なぜ「失敗」したのか?
第4章 地球温暖化懐疑論とメディアリテラシー
第5章 「小さな国」からの脱却
エピローグ 本質を読み解く力

著者等紹介

池上彰[イケガミアキラ]
ジャーナリスト。1950年、長野県松本市生まれ。慶應義塾大学卒業後、1973年、NHKに入局。1994年から11年間にわたり「週刊こどもニュース」のお父さん役として活躍。2005年よりフリーに

手嶋龍一[テシマリュウイチ]
外交ジャーナリスト・作家。ドイツのNHKボン支局長を経て、8年間にわたりNHKワシントン支局長を務め、9・11事件を中継放送。2005年独立後に発表した『ウルトラ・ダラー』(新潮社)は、日本初の「インテリジェンス小説」と評され、ベストセラーに(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まーくん

84
奇しくも同じ2005年にNHKを退職された二人による対論。片や解説の達人、片やインテリジェンス小説作家として、NHK時代の経験を生かし、地球温暖化問題に切り込む。ただ、2010年刊と古い本なので、その予測に3.11による福島第一原発の事故は考慮されていないのは止むを得ないが、現時点から見ると議論の説得力を減じるところも。COP3(京都会議)における「京都議定書」の採択が産み出した「排出権取引」の闇。会議の舞台裏を読み解く。何事も欧米がルールを作るのは歯痒く腹立たしい。日本の力不足を感じる。2023/06/04

ごへいもち

25
イギリスの力はやっぱりすごい。インテリジェンス能力(諜報や戦略も含めた意味で)の高さ。国際会議の合意書作成などになると大国アメリカもイギリスという本場の高等な?英語力に引け目を感じて引き下がるというのがおかしかった。そこで微妙な言い回しを駆使して自国に都合良い表現にできるとのこと!カーボン通貨もいいんじゃない?池上・手嶋の両氏が同じ年にNHKから独立したんだなぁ。2012/04/25

Sakie

21
信頼できる情報の伝え手と信じるお二人の対談。色々唸らされた。出版から日が経ったぶん、じっくり経緯を俯瞰することができる。そもそも地球温暖化対策の流れは、先進国の道義的使命感で発生したものではない。軍事や貿易と同じ種類の、国対国の利権争いが常に裏にある。どの分野なら自国が主導権を握れるかと、各国はインテリジェンスを駆使して戦略をぶつけてくる。京都議定書は二酸化炭素排出権に関して日本がしてやられた墓碑みたいなものだな。『国際的なルールを変えることが、どれくらい大きな影響を及ぼすのか』を今後は考えてみる。2019/02/22

緋莢

12
21世紀の覇権争いの鍵となるのは「環境」、特にCO2排出量だ。CO2排出量を武器に国際政治の舞台でどう戦っていけばいいのか?作家と小説家が日本が生き残るための戦略について語り合う。2015/03/11

くろほ

12
「環境」とは、単に地球温暖化や生態系の変化の問題にとどまらない。21世紀の社会システムをどうデザインするか、その中心テーマでもある―。さすが池上さんわかりやすい。そしてその「世界のシナリオ」を書き上げたのがイギリスだったとは・・・。環境問題の議論を眺める場合も「ポジショントーク」は当たり前、という姿勢が必要だとの意見にもはっとさせられた。温暖化問題は、賛成派と懐疑派それぞれの意見を聞いて「割らずに」考えなければいけない、という話の意味がやっとわかった。2011/04/08

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