角川oneテーマ21<br> 逆接の民主主義―格闘する思想

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角川oneテーマ21
逆接の民主主義―格闘する思想

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  • サイズ 新書判/ページ数 236p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784047101302
  • NDC分類 311.7
  • Cコード C0236

内容説明

グローバル化は地獄への道だ。なぜ私たちは受け入れるのか?いま必要なのは、力もない、地位もない、排除された人を社会の代表とみなし、日本の民主主義をつくり直すことだ。いまこそ、先の見えない時代を打ち破る“ユートピア”を!そう、未来を決して諦めず、“理想”を取り戻す時である。

目次

第1章 北朝鮮を民主化する―日本国憲法への提案1
第2章 自衛隊を解体する―日本国憲法への提案2
第3章 デモクラシーの嘘を暴く―まやかしの「美点」
第4章 「正義」を立て直す―「みんなのルール」のつくり方
第5章 歴史問題を解決する―隣国とのつきあい方
第6章 未来社会を構想する―裏切りを孕んだ愛が希望をつくる

著者等紹介

大澤真幸[オオサワマサチ]
1958年、長野県生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程修了。現在、京都大学大学院人間・環境学研究科教授。専攻は社会学。2007年『ナショナリズムの由来』(講談社)にて第61回毎日出版文化賞(人文・社会部門)を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ころこ

30
文章が平易で、政治、経済の現実可能な問題解決の本として読むと、全てが読者をすり抜けていきます。一見、著者にしては深堀不足のように映りますが、反面、他著作で展開される著者のアイデアの骨組みが露になっていることに注目すると、他著作では十分理解できなかった論点を再考することができます。①冒頭、ハーバーマスとデリダを対比させた構図は本書を通じたテーマですが、この見取り図が明快です。②本書の迂遠な説明では明確に気付きませんが、自己否定が他者の変容を伴うというキリスト教が、共産主義の代わりに資本主義を超える贈与の「ユ2019/11/02

白義

9
大澤真幸の本としては特別秀逸ってわけじゃないけど、やっぱり倫理学、歴史哲学的な考察と現代社会解読の手際はすごい。他者は何か、可能性と創造的な研究の関係とかアクロバットで鋭い論考が随所にある。これが雑誌への時評として書かれたと考えると、現実政治の根っこの抽象的な部分を考える力は確かに偉いものだ。でも、その洞察から導かれる提案は、北朝鮮の民主化や自衛隊の改変にしろ交響体の公共圏にしろ正しくてオルタナティブなんだけど役に立たない。実効性がない。大澤さんの長所と欠点、両方がはっきり出た本だ2011/08/27

freebird

3
ここに書かれているやり方は、個人の道徳意識としては相応しいが、国家のなすべきこととして提示するにはやはり現実性に欠ける。それは端的に間違っているのだ。私的な理想と、公的な理想は違う。そして大澤理論は優れているが、それゆえに公的には使えない。そのことを確認するためにも重要な著作。2008/06/12

サクマ

2
4章からは面白かったが、具体的に解決策が現実的ではないというのはそのとおりだと思う。ただし、誰も理想を語らない世の中でユートピアを志向するというのはひとつ重要な立ち位置なんではないだろうか。2010/06/07

大道寺

2
具体的な提言について現実的ではないというのは、その通り、と私も思う。だが現実的な方法は私たち一人一人が考えるとして、その根底にある思想の参考にはなり得るのではないか。愛という言葉はなかなかしっくりこないが……。少なくとも個人として他者について考えることの参考にはなった。2010/02/03

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