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出版社内容情報
日本は一度として「平和国家」だったことはない! 「戦後の神話」を問い直す画期的対論、堂々刊行!
内容説明
本当の「戦後」は朝鮮戦争の終結からはじまる!!誰も語らなかった日本の戦争史。
目次
第1章 「テロ」と「戦争」の二一世紀―暴力が弱者に向かう時代(「正しい戦争」はどう作られたか;「テロ」の主犯はいったい誰か)
第2章 「平和国家」の幻影―「戦後日本」の戦争史(続いていた戦前と戦後;終わらない日本の戦争)
第3章 「虚」から「実」の時代へ―本当の「平和国家」に向けて(歴史を分けた湾岸戦争;憲法の生かし方、進むべき道)
第4章 「戦後日本」の戦争を終わらせるために―この国への提言(二〇〇六年の国連決議は第二次朝鮮戦争を防いだ;日本はアメリカの核の傘から ほか)
著者等紹介
姜尚中[カンサンジュン]
1950年、熊本県生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科博士課程修了。東京大学大学院情報学環教授。専攻は政治学・政治思想史
小森陽一[コモリヨウイチ]
1953年、東京都生まれ。北海道大学文学部卒業、同大学院文学研究科博士課程修了。東京大学大学院総合文化研究科教授。専攻は日本近代文学。「九条の会」事務局長も務めている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Takao
2
2007年11月10日発行(初版)。「まだ戦争は終わっていない」というショッキングなタイトル。本書発行から間もなく9年になるが、朝鮮半島情勢が話題になるときには、北朝鮮の核開発、ミサイル発射、等々、マスコミ報道では日本は「被害者」的な立場に置かれている。日本は傍観者ではなく、朝鮮半島の非核化、平和実現に大きな責任を持っている。その実現には日本の政治が変わらなくてはならないだろう。姜尚中氏が引用している矢内原忠雄の言葉「現実を批判するのは現実ではない。現実を批判するのは理想なのだ」が心に残った。2016/08/31
さえきかずひこ
2
本邦が朝鮮戦争やベトナム戦争にいかにかかわり発展したか述べる対談本。"歴史"を知らない若者にとって啓蒙的で役に立つ。ただし小森の発言は傾向として煽動的かつ陰謀史観が垣間見え、活動家らしさは頷けても、研究者としての冷静さには疑問が残る(対談形式の作品なので、ついつい口がすべるのだろうが)。反対に姜は冷静だが、休戦中の朝鮮戦争を終わらせることに東アジアの安全保障体制確立への希望をつなぐあたり、空想的過ぎる。批判すべき点も多いが、歴史を複数の観点から通時的に検討する試みとして学生や社会人にも参考になりそうだ。2009/02/10
レコバ
1
いまいち。半島の内戦の着地点はまだまだ見えぬまま2016/03/01
Nunokawa Takaki
1
この本の中の対談が行われたのが6年前になるが、今ほど靖国や慰安婦をめぐる応酬がなかったといえる。小森さんも姜さんも、実は河野談話は安倍らにより潰された、それまでは慰安婦問題は肯定されていたのにと述べている。こちらからしたらそれに対して肯定し対処すべきだという風に聞こえた。今これを上梓したら確実に叩かれそうだが。一方で、湾岸戦争はアメリカがハイテク技術で敵を殲滅するためのパフォーマンス、敢えて「戦争」という言葉を使わずに愛国心を煽ったイラク戦争など、改めてアメリカの策略を見せつけられた。2014/09/22
sabosashi
1
(1)たとえば北朝鮮は三代世襲の「社会主義国」。米国などは自滅するものとして交渉に熱意を注いでこなかったが東北アジアの力学、たとえば北朝鮮に親米政権でも生まれたら中国はタイヘン、とかいう文脈で存在しつづける。米国、韓国、ニホンなどが試みるべきことは北朝鮮の資本主義化、市場経済化を促し、それによって政権にまで変化が出てくることを見守るべきだと姜さんは言う。それはキューバにおいても自由競争的コンセプトが進みつつあることでも実証される。(ニホンとは異なって今では韓国は米国の思惑通りにいつも動くわけではないらしい2013/09/28