角川oneテーマ21
「ジャパニメーション」はなぜ敗れるか

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  • サイズ 新書判/ページ数 287p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784047100190
  • NDC分類 726.1
  • Cコード C0270

内容説明

日本のまんが/アニメの発端は、戦前のハリウッド、ディズニーの模倣、戦時下の統制にあった。戦前のまんが入門、戦争と透視図法、大城のぼる「火星探検」、手塚治虫「勝利の日まで」、萌え市場、産業としてのサブカルチャーまでを徹底分析。今また戦時下にある、まんが/アニメの本当の姿とは何か―。

目次

第1部 まんが/アニメから「ジャパニメーション」へ(日本のまんが/アニメは何処から来たのか;戦後/手塚/手塚の継承者たち)
第2部 国策の中のジャパニメーション(市場規模から見るジャパニメーション;産業構造から見るジャパニメーション;ナショナリズムから見るジャパニメーション)

著者等紹介

大塚英志[オオツカエイジ]
まんが原作者、小説家、評論家、編集者。1958年生まれ。筑波大学人文学類卒業。日本民俗学専攻。まんが誌フリー編集者を経て、その後は、まんが原作者やジュニアノベルズ作家、評論家として活躍。サブカルチャーとおたく文化の視野からの評論・社会時評が注目され、『多重人格探偵サイコ』『木島日記』の原作でも脚光を浴びる

大澤信亮[オオサワノブアキ]
評論家。左翼思想の観点から、まんが・文学・思想哲学を主な対象に、ユニークな評論活動を行っている。1976年生まれ。慶応義塾大学大学院政策・メディア研究科修了。福田和也ゼミで近代思想史を専攻。(修士論文題目は「日本資本主義論争における天皇制国家論」)。2006年4月映画専門大学院大学(認可申請中)助手就任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヤギ郎

9
「クール・ジャパン」や「ジャパニメーション」といった言葉を旗振りに、政府主導でアニメーション業界(コンテンツ業界)に対して振興政策が行われている。国がアニメに携わることに何か違和感があった。(政府が文化振興をすることは悪いこととは思わない。)本書後半では日本経済の促進としてアニメ産業を利用するものの、アニメという文化としての特性と固有な市場が展開されていることから、経済促進のためにアニメ産業を使う難しさを描く。本書前半では戦後転換期にみるマンガ表現を解説する。内容がたっぷり詰まった一冊。2022/02/08

トダ―・オートマタ

5
日本の漫画の歴史とかから日本の漫画やアニメはディズニーの影響を大きく受けているということがわかった。現在は漫画やアニメの国策はなくなっているように思うが、大掛かりに「日本のアニメ、漫画は素晴らしい」という宣伝を行うということが裏があるというのは納得。ただ、現在のようにある程度ジャパニメーションの知名度が上がっているとしても、賃金や労働環境とかの問題がまったく解決してないのでやはり宣伝だけかな2011/12/17

xtc1961ymo

3
マンガやアニメがこれまで世界で一番強かったのは、政府が一切お金をでしていないからです。クールジャパンなんて、国策にしたら訳の分からない政治の材料になりワヤクチャになってしまう。2013/09/19

しんかい32

3
大塚英志、こういう具体的な話は面白い。これはけっこういい本に思える。2012/05/30

古戸圭一朗

2
前半は『アトムの命題』などでも語られている、日本のまんが・アニメの戦時下起源の話題。後半では「国策」としてのジャパニメーションの敗北が予想され、しかしその「敗北」はまんが・アニメが本当に「敗北」してしまわないためにむしろ必要である、という論調だと思う。ただ、その予想は完全には当たらず、「国策」としてのまんが・アニメ(すでに「ジャパニメーション」という言葉はない)は、現在においてもダラダラと続いているように思える。2021/09/29

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