角川選書<br> 「ぐずぐず」の理由

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角川選書
「ぐずぐず」の理由

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  • サイズ B6判/ページ数 248p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784047034945
  • NDC分類 814
  • Cコード C0310

内容説明

「ぎりぎり」「ぐずぐず」「ふわふわ」「なよなよ」。ドイツ語で「音の絵」と訳される擬態語(オノマトペ)には、「ぶつぶつ」など音と意味が類似するものから、「しぶしぶ」などふるまいや感覚の抽象によるものなど、さまざまな言葉の手ざわりがある。なぜその擬態語ができたのか、「のろのろ」は動作の擬音ではないのになぜぴたりとその佇まいを伝えるのか。オノマトペの特性と表現を現象学的に分析し、現代人のいのちの息遣いや存在感覚を描きだす、「鷲田哲学」の真骨頂。

目次

言葉の感触―序にかえて
1 声のふるまい―オノマトペのさまざまな顔(ぎりぎり;ぐずぐず;ちぐはぐ;ゆらゆら ほか)
2 音の絵―オノマトペの構造(音の絵;言葉の内臓感覚;律動と情調;感覚の越境 ほか)

著者等紹介

鷲田清一[ワシダキヨカズ]
1949年、京都生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程修了。関西大学文学部教授、大阪大学大学院文学研究科教授、同研究科長・文学部長、同大学理事・副学長、大阪大学総長をへて、大谷大学教授。哲学者。専攻は哲学・倫理学。著書に、『「聴く」ことの力』(桑原武夫学芸賞)、『モードの迷宮』(サントリー学芸賞)など、多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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よこたん

39
“京都は「はひふへほ」の文化、大阪は「ばびぶべぼ」の文化、神戸は「パピプペポ」の文化だというのである。” 以前どなたかがおっしゃっていて、まさにと唸ったが、鷲田さんの解説でとても納得できた。オノマトペというくくりを知らないうちから「うろうろせんでも、そこの道をダーッと下って、曲がり角をキュッと行ったとこに、けばけばしい看板の店があって、ぬくぬくのお弁当売ってるで」などと私ども大阪人はとにかくオノマトペをごく当たり前に多用する。ないと困る。仮名の行ごとの個性や、濁点のあるなしで印象が変わる言葉って面白い。2017/08/26

ねこさん

14
姓名が人の性質にどのような影響を与えるのか考察しながら、ずっと脱線している。事象に割り当てられた音もそのひとつだった。現代におけるオノマトペは、感受したモノゴトが言語への変換されるという作業そのものに対する懐疑の発生、情意が概念に収まりきらない際の発露の分岐のように思う。その岐路で、人の心はどう作用しているのか。名付けには必ず何らかままならなさへの意思、自我、欲が働いている。姓名も然りで、人は姓名の呪いを親族にかけられている。名付けの分析が何に活用できるのかはわからないが、また少し遊んでみようと思う。2016/03/02

かやは

14
オノマトペについて語られる哲学の書。日本語の音の響きを改めて見つめ直す楽しさがあり、文章が美しいので何度も読み返したくなる。すかっとした論はわかりやすいが軽い。ぐずぐずと結論を出せず、問い続ける方が得るものも多いのではないだろうか。言葉を組み解くことによって世界が見えてくる。世界とはすなわち、言葉で捉えられる空間なのだと改めて認識する。やはり多言語を習う前に、しっかり母国語で世界を捉えておく必要があるな、と感じた。そうじゃないと世界の奥行きを知らないままになってしまう。 2015/03/01

ポカホンタス

7
オノマトペについての哲学的考察。エッセイ風に書かれているが、そこはさすがの鷲田先生、ぐいぐいと深いところにまで引き込まれる。引用される文章も素晴らしい。霜山徳爾、三木成夫、クリステヴァ、山崎正和、白州正子。どれも気まぐれな引用ではない、十分咀嚼した上での、狙いすましたような引用であるため説得力がある。それぞれの引用元まで読みたくなって読書は広がる。文章は過度なくらいに上手い。上手すぎて嫌味なほどに。そういうところに私はアンビバレントを感じる。2018/03/26

犬養三千代

6
鷲田センセのオノマトペ論。 身体性との絡みなど。大阪人はやたらと使っているとか。大阪人、上方人の雑多な感じなのかなぁ?大阪で生まれて学校を京都で卒業した身としてはどちらもピンとくるのだけどね。山崎正和と白洲正子の鋭敏な感性を拾い上げた鷲田センセは凄い!!2019/08/21

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