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角川選書
古墳とはなにか―認知考古学からみる古代

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  • サイズ B6判/ページ数 254p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784047034938
  • NDC分類 210.2
  • Cコード C0321

内容説明

なぜ前方後円墳のような巨大古墳が生まれ、そして衰退したのか。竪穴式石室から横穴式石室へという大転換はどうして起きたのか。長をまつる巨大な墳丘を「見上げる」行為や、埴輪や副葬品、石室の位置関係やつくられ方を、ヒトはどう感じ考えるかという心の動きの分析から解明。「神格化の舞台」から単なる「墓」へ。3世紀から7世紀の日本列島に10万基以上も築かれた古墳とは何であったかを問う、認知考古学からの古墳時代論。

目次

第1章 古墳があらわれるまで(社会を語る墓地;長たちの台頭;古墳への飛躍;ツクシ時代からヤマト時代へ―もうひとつの古墳成立史)
第2章 前方後円墳を解剖する(なぜ「前方後円」か;前方後円墳の道具立て;王の眠る空間;前方後円墳とは何か)
第3章 巨大古墳の世界(どこにどう築かれたか;国々の成立;巨大古墳を見上げる空間)
第4章 古墳文化の衰亡(縮小する古墳;古墳から「墓」へ;古墳との決別)
第5章 世界のなかの古墳文化(東アジアからみた古墳の出現;ユーラシアのなかの古墳;神々のたそがれ)

著者等紹介

松木武彦[マツギタケヒコ]
1961年愛媛県生まれ。岡山大学文学部教授。大阪大学大学院文学部研究科博士課程修了。専攻は日本考古学。ヒトの心の現象の科学的な分析・説明による、認知考古学の手法をとりいれた歴史科学を研究している。著書に『全集日本の歴史(1)列島創世記』(小学館、2008年度サントリー学芸賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

月をみるもの

12
なぜ日本の3〜7世紀にだけ、こういうデカイ古墳が作られたのか? つくられるようになったきっかけは、寒冷化による東西の帝国(ローマ/漢)の崩壊であり、つくられなくなった理由は世界宗教の浸透である、、、という認知考古学のシナリオは圧倒的な説得力。。ブリテン島と日本列島の違いは、帝国の覇権がぎりぎり届いたか届かなかったか、、、(中央からの距離と海峡の幅)によると言われて、なんで自分がサトクリフのローマ作品を、こんなに愛してるのかわかったような気がする。。2018/05/08

Book shelf

2
ざっくり言えば、認知考古学とはホモ・サピエンスに共通の行動や思考パターンを遺跡や遺物からよみとって、そこにどんな動機があったのか解釈を試みる研究方法。この研究方法を古墳研究に用いるとどのようなことが見えてくるかが本書の醍醐味。ホモ・サピエンス共通の行動パターンを古墳の形状、サイズ、埋葬形態などさまざまな条件から読み取って解釈する古墳研究は非常に分かりやすく面白かったです。視点が広いゆえに細かいところでは課題がありそうですが大きな枠で日本のみならず世界の中で古墳を捉える視点は面白い。2018/12/24

akamurasaki

2
古墳の時代の大まかな流れや同じ時期の大陸各国との比較などわかりやすかったです。中でも同じ「島国」イギリスとの同時代の比較など、興味深い内容も盛りだくさんでした。古墳というと近畿周辺もしくは関東の華々しい?古墳群の話題が中心になってしまいますが、著者が当時岡山大学の教授だったこともあってか吉備や出雲、九州など地方の古墳にも言及されていて読みごたえがありました。巨大古墳文化の栄枯盛衰、当時の日本列島の混沌とした様子を想像するとワクワクしますね~。2017/06/21

Takashi 

2
再読。前半部分における記述の気合いの入り方に比べ、後半の内容の薄さが気になる。具体的にいうと、群集墳についての視座がほとんど欠落している。本書は大型古墳からみた古墳時代観であり、古墳全体を説く内容にはなっていない。あとは、北魏をはじめとした東アジア情勢についての記述の不足が目立つ。そこが説明できなければ、結論的な部分が単なる妄想に終わってしまうからだ。集落の説明も中途半端。それでも、内容には強く惹きつけられる箇所が多く、前半部分の記述を中心に実に示唆的な一書であることは確かだ。他の類書を読んでから一読を。2016/05/04

onepei

2
古墳を手掛かりに、今の私たちからはわからない古代人の精神世界を探究していておもしろい。2011/08/28

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