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角川選書
和本への招待―日本人と書物の歴史

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  • サイズ B6判/ページ数 221p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784047034921
  • NDC分類 022.31
  • Cコード C0395

内容説明

平安時代の物語が、なぜ今も読めるのか?1300年の歴史をもつ「和本」には、日本人の知恵、技術、美意識や読書熱がたっぷりと内包されている。素材や綴り方、写本の手法、本屋の仕事など、和本にまつわる歴史を辿り、日本独自の豊饒な文化を一望。『源氏物語』などの古典から江戸の大衆小説、市井の本屋の日記まで、時を超え、今も手にとって愉しめる和本の“ものがたり”を解き明かす。

目次

第1章 千年前の『源氏物語』を復元する(千年前の書物の謎;装訂の誕生―『源氏物語』前史;千年残る紙の進歩;千年前の表記ルール;よみがえる『源氏物語』)
第2章 中世の本づくりを担った人びと(藤原定家の時代;大きな役割を担った寺社;木版印刷の始まり)
第3章 売れる本づくり(古活字版で広がる読者層;商業出版の始まり;本屋仲間の台頭;名門本屋「風月」に見る多角経営)
第4章 世界的にも稀な江戸時代の出版形態(株になっていた出版権;江戸期の本づくり―風月庄左衛門の日記より;江戸期独特の「板株」の実態;共同出版の隆盛)
第5章 揺れ動く“本”と“草”(正規の“本”と大衆の“草”;江戸初期に花開く草紙の世界;草紙屋による新たな“草”の拡大;変わるものと変わらぬもの)

著者等紹介

橋口侯之介[ハシグチコウノスケ]
誠心堂書店店主。1947年東京都生まれ。上智大学文学部卒業。1974年から和本・書道専門店の誠心堂書店で修業、1984年から店主となる。現在、成蹊大学大学院文学研究科、上智大学文学部史学科非常勤講師などを務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

takao

1
ふむ2020/12/15

しいかあ

1
和本について、主に江戸時代までの装丁の変遷と、江戸時代の出版事情について書かれた本。ヨーロッパでは修道院が写本の作成や保存に大きく貢献したけれども、日本でも寺院が同じような役割を果たしていたというのは意外だった。版木での印刷が普及する前に、一時期活字での印刷があったという話は聞いたことがあったけど、まさかくずし字を活字化していたとは恐れいった。2014/09/05

wang

1
物理的な本の形態を成り立ちから。また題字や奥書をつけるなどの書物としての形式を整えたのが藤原定家というのは初めて知った。定家は和歌だけでなく様々なことを整備したすごい人だ。江戸期には日本独自の出版の仕組みが成立、板株とか相合株で権利を持ち合ってリスク分散する仕組みとか実に面白い。物ノ本は元々巻子で規範性が強く、一方草紙は自由でそれが束ねられ冊子の形態となったが、本と草の対立構造は維持しながら江戸期まで続き読者層を拡大していった点も面白い。2012/10/08

ヒコ。

0
平安時代から鎌倉時代では本の構造と位置づけ(巻子と草子)を、江戸時代ではさらに流通を解説する。記事にはないが、巻子が正式な文書であり和文が右から左に書くのは、木簡竹簡の名残なんだろう。右から左へと時間空間の動きを表現する絵巻物は現代の漫画・アニメに通じるという分析も面白い2012/09/15

dimsum

0
和本1300年の歴史。巻子(かんす)から<本><草>まで。また、その違いと、進化の過程。江戸期における円熟から明治期の衰退。2011/08/30

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