内容説明
著名な神護寺の伝源頼朝像は足利直義だった。では、本当の頼朝の顔はどんなものか。どこにあるのか。現存する頼朝像の多くが江戸時代の写しであるのに対し、甲斐善光寺の源頼朝像は違う。その胎内銘の解読でわかった衝撃の事実。この像は妻北条政子の命によって制作された鎌倉前期=13世紀初期の源頼朝像だった。綿密な肖像分析と胎内銘解読による歴史推理のはてに、ついにたどりついた真の頼朝像発見のドラマを描く。
目次
プロローグ 源頼朝像の探究
第1章 現存する源頼朝の肖像
第2章 東博蔵伝源頼朝像は北条時頼像
第3章 甲斐善光寺の源頼朝像
第4章 信濃善光寺と源頼朝
第5章 善光寺と源頼朝像の調査
第6章 胎内銘解読の歩み
第7章 胎内銘が語る源頼朝像の造立
第8章 源実朝像と肖似性
エピローグ 真の源頼朝像と源実朝像
著者等紹介
黒田日出男[クロダヒデオ]
1943年生まれ。東京大学名誉教授。早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。東京大学史料編纂所教授・所長などを経て、立正大学教授・群馬県立歴史博物館館長。文学博士。専門は、絵画史料論・歴史図像学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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むっち
1
日本史が書き換えられている話は聞いていたが、そもそも江戸時代から、足利直義の肖像画が頼朝ということで広く知られていたのですね。本の中には明らかに北條頼時そっくりの木像が伝頼朝像となっている事実が分かったりと刺激的で面白かったです。古文を読み解くあたりは、ちょっと骨がおれましたが、そこを読み飛ばしても十分に意味は分かります。北條政子の善光寺如来信仰など興味深いです。この本で触れられているわけではないですが、足利尊氏像が実は高師直像だったり、この時代の肖像が混乱しているのはその後に戦国時代の混乱期のせいか。2011/11/03
兵衛介
1
数ある頼朝像の中で、信のおけるものは甲斐善光寺蔵の木像のみ。そしてなぜ甲斐善光寺に頼朝真像が伝来しているのか。この結論に至る実証プロセスが詳しく書いてある。2011/07/25
KOBAYASHI
0
◎2011/11/02
たぬき
0
ブロンソン2011/11/22
onepei
0
ちょっと強引な展開もあるように感じたが、おもしろい。本の中でも触れられている次回作も楽しみ。タイトルはちょっとわかりづらいと思った。2011/05/16