内容説明
寡黙で質朴な藤沢周平の文体、風変わりでユニークな幸田文の言葉、無垢でたくましい林芙美子の人生、「風船画伯」と渾名された谷中安規の丸い絵―。創作の現場を覗いては、文豪たちの素顔に触れ、消え去った作家や画家たちの影を垣間見る。近くて遠い時間のなかを、読み、歩き、愛で、味わう。あるべき過去の遠景が詰まったエッセイの贈り物。
目次
第1章 文学の現場から
第2章 日常の隣りで
第3章 青春と時代
第4章 海の向こうから
第5章 ここからあそこへ
第6章 失なわれた街、東京
著者等紹介
川本三郎[カワモトサブロウ]
1944年、東京に生まれる。東京大学法学部卒業。映画、文学、都市など、幅広い分野での評論やエッセイで活躍。『大正幻影』(新潮社・ちくま文庫)でサントリー学芸賞、『荷風と東京』(都市出版)で読売文学賞を受賞
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感想・レビュー
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星落秋風五丈原
11
寡黙で質朴な藤沢周平の文体、風変わりでユニークな幸田文の言葉、無垢でたくましい林芙美子の人生、「風船画伯」と渾名された谷中安規の丸い絵。創作の現場を覗いては、文豪たちの素顔に触れ、消え去った作家や画家たちの影を垣間見る。近くて遠い時間のなかを、読み、歩き、愛で、味わう。あるべき過去の遠景が詰まったエッセイの贈り物。 2003/08/21
yokmin
1
・オスカーワイルドと『横しぐれ』 ・藤沢周平の「人生の秋」 ・「頭がケイマトビ」の人 幸田文ー青木玉 ・ 野口冨士男展を見る ・古本屋主人、映画書を語る ・水の町ー藤沢周平の本所深川2012/08/10
こっこ
0
★★★☆☆ 角川書店のPR誌『本と旅人』に掲載されたエッセイに、折に触れて書かれた文章を追加した小品集。3頁前後の読み物なので読みやすい。内容も映画、小説、絵画、旅歩きなど多岐にわたっているが、その分多少散漫な印象も受ける。川本氏、80年代は「センチメンタリスト」だったが、90年代辺りから「歩くノスタルジスト」へと変貌。本書はちょうどその転換期に当たるのだろうか。でも「趣味人(いい意味での)」の本質は変わらない。2019/03/01