うつぼ舟〈1〉翁と河勝

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うつぼ舟〈1〉翁と河勝

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  • サイズ B6判/ページ数 242p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784046211910
  • NDC分類 773
  • Cコード C0095

内容説明

梅原猛に“もの”が取り憑いた。八十三歳。能の創始者・秦河勝は、流されて、大荒大明神という、怨霊となった。その齢、八十三。梅原猛の初めての能芸論は、秦河勝の悲劇に始まる。「“もの”が憑かねば、“もの”は、書けぬ」―梅原猛自身が怨霊と化して、この「物語」は書かれた。翁、摩多羅神、ディオニソス。中世の神々が降りて来た。その容、滑稽で、恐しく、妖しい。梅原猛の中世―歴史・文学・宗教から読み解く画期的能芸論。

目次

第1章 大荒大明神になった秦河勝
第2章 広隆寺と牛祭と秦氏
第3章 川勝一族の里・田原本
第4章 三人翁・奈良豆比古神社
第5章 呪術としての翁舞
第6章 黒い翁の呪力
第7章 ディオニソスの熱狂
第8章 摩多羅神と芸能

著者等紹介

梅原猛[ウメハラタケシ]
哲学者。大正14年(1925)、宮城県に生まれる。生まれてすぐに愛知県知多半島の内海の名士で、梅原一族の頭領である伯父夫婦の養子となり、京都大学入学まで海と山に囲まれて過ごす。哲学から仏教の研究に入り、その間に『隠された十字架』(1972)、『水底の歌』(1973)を執筆。その後、縄文・アイヌを研究。「梅原日本学」を確立。現在、「梅原学」確立のため、中世の文学・芸能としての「能」の研究に入る。国際日本文化研究センター初代所長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ダージリン

2
最近、能に関心があったのと梅原猛さんの著作ということもあり読んでみることに。秦河勝はミステリアスな人物という印象を元々もっていたが、やはり不思議な人物である。本書の最後で、翁がデュオニソス信仰につらなるという予想もしない仮説が提示される。真偽はともかく純粋に説としては面白い。第2巻も読んでみることとしよう。2023/11/07

三谷銀屋

2
秦河勝について知りたかったので読んだ。政争に敗れて坂越に流されて祟り神となった河勝。河勝を祀る坂越の大避神社の船渡御と京都太秦の広隆寺の牛祭りの考察から始まり、河勝の子孫である世阿弥、能の「翁」への繋がりを論じる。私は能の前提知識が無いため後半の能芸論が難しかったが、伝統芸能の裏にある古代日本の呪術的精神の系譜には興味をそそられる。秦一族がキリスト教徒であった説はトンデモ説だと思っていたけど、本作を読むと全く根拠のない論ではないのかも、と思えた。少なくとも歴史ロマンとしての可能性はあっても良いように思う。2022/07/25

あつたか

0
秦河勝の歴史がわかる必読書2009/06/01

KKobayashi

0
広隆寺に参る前に読んでおきたかった。 能楽に興味を持ち読ませて頂きました。 秦河勝、翁。摩陀羅神。 様々な謎が深まりました。丁度近くに住んでるので、史跡をたづてみたいです2021/06/05

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