角川文庫
愚者の道

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  • サイズ 文庫判/ページ数 183p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784044125295
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

内容説明

デビュー以来、買い物依存症にはじまり、ホストにハマり、美容整形にハマり、そしてついには風俗へと足を踏み入れてしまった作家・中村うさぎ。これは無目的な狂態なのか?はたまた確信犯的挑戦なのか?いばらの道を突き進む自分を「愚者」であると認識し、一見無軌道とも思えるこれまでのハチャメチャな迷走ぶりを総括した、傑作エッセイ!「愚者」は何かを悟れたのか―。

目次

愚者という名のカード
欲望の果てに
女にとって自己とは、そして他者とは
書き手の業と性
敵はどこにいるのか
家族という呪縛のもとで
肉体の檻
信頼と赦し
夫のことをもう少しだけ
買い物依存、ホスト熱、そしてデリヘルへの挑戦

著者等紹介

中村うさぎ[ナカムラウサギ]
1958年、福岡県生まれ。同志社大学卒業後、OL、コピーライターを経て、『ゴクドーくん漫遊記』で小説家デビュー。ファンタジー小説の分野で活躍する一方、自身の壮絶な浪費生活を綴るエッセイ「ショッピングの女王」シリーズで注目を集める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

5
中村うさぎの自己を解剖する能力はほんとうにすごい。いつもおもうけど。よくこれで本当に発狂したりしないなと思う。彼女が拘ってる客観性のお陰なのか、思考の流れに無理がないからきちんと理解できてああーーこんな人もいるのかあ、という気持ちになる。彼女はたしかに凡庸だと思うけど(天才ではないよねもちろん)でも思考停止を絶対しないっていてやるっいうプライドにまぶしい非凡さがあるよね。最近ニュースでみたけど病気大丈夫かなあ。2013/12/22

PPP

4
★★★★★:『愚者…すべてのものを手に入れ、すべてのものを無に帰す者。素晴らしきアンポンタン。』大概の人は自分の底の愚者を抱えて、ひた隠しに賢者のフリをしたりするもの。自分が本当に欲するものは何なのか?うさぎ氏の苦悩は女性の真髄をついている。うさぎ氏の愚かさは奇抜な行動(ただただ欲求に我慢がない)であって、深層心理は皆大差ないのかもしれない。正面切って愚者なる自分自身に問いかけられる勇気に突き抜けた信念を感じます。女たちの〝同族嫌悪〟は根が深い!に…苦笑&痛感でした。2017/05/04

wdzm

3
相変わらずのうさぎ節。身を切るようなコンプレックス感と、無限ループのような客観視の繰り返しは、もうとても他人事と思って読めるような感覚ではなく、すっかりのめり込んだ。執拗なまでに「客観」を追い求める偏執狂的な姿は、もう相変わらずとしか言いようのない、この作者独特の「破滅感」を体現していると思う。「ゴクドーくん」からの変遷を知っていて、なおかつ根っこの部分はなんら変わっていない、というのがわかるだけに、この感覚は本当に面白い。2008/02/24

くらむ

2
己の自己愛を容赦なく腑分けしていく文章はさすが。常識的な価値を転倒させ、読者を自己愛の絶望の淵に連れて行く。これ、エッセイと言うより文学ですね。ゲイの夫との関係の話が出てくるが、夫と言うより、精神的に母親の役割をしている。本当に夫として見ることができたときが、幸福の到達点のように思える。2015/03/07

妾狂い めいとく

2
胸に突き刺さる。特に最後の夫の言葉と優しさに。2014/09/17

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