角川文庫
さびしいまる、くるしいまる。

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  • サイズ 文庫判/ページ数 260p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784044125264
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

内容説明

会いたくて、電話があればすぐに飛んでいった。ありがとうって言ってほしくて、百万円のブランデーもポンと入れた。滑稽で哀しい叶わぬ恋愛の顛末…、笑って幕を引いたはずだった。あの日、真実を知るまでは。十五歳年下のホストとの恋を綴ったエッセイに衝撃の書き下ろし後日談を加え、今とあの日、引き裂かれた時間の中で立ち竦む己の姿を偽りなく書き尽くす。これがうさぎの落とし前。

目次

運命のラッパは、知らないうちに鳴り響く
ホストクラブでつかまえて
きみの×××はウン百万円
そんな春樹に、ほだされて
ホスト・ウォーズ かずきの復讐
この世で一番大切なもの
中村うさぎ、月見て跳ねる
ホスト・ウォーズ うさぎの復讐
荒野で呼ばわる女たち
アンハッピー・バースデイ
愛と資本主義
さらば、いとしきホスト

著者等紹介

中村うさぎ[ナカムラウサギ]
1958年、福岡県生まれ。同志社大学卒業後、OL、コピーライターを経て、『ゴクドーくん漫遊記』(角川スニーカー文庫)で小説家デビュー。ファンタジー小説の分野で活躍する一方、自身の壮絶な浪費生活を綴るエッセイ「ショッピングの女王」シリーズ(文春文庫)で注目を集める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ミカママ

469
読む前からイヤぁな予感はしてた。まさにわたしの心情の闇をグサグサと突いてくる内容。若く美しい男は、我が身のコンプレックスを埋める道具。ブランド物のバッグを買うのと同じだ。男に一等賞を取らせたい、そのためには身を削って書いた文章の代償(出版社から前借りしてまで)を男に全部注ぎ込む。その愚かさは本人が一番わかっているのだが、破滅するまで終われないという自覚もある。そして衝撃のラスト。途中でうんざりしたあなたも、きちんと最後まで読んで欲しい。2020/09/11

purintabetainoo

13
同じ体験者ではないのに、何故か深く感情移入してしまう苦しさや寂しさがありました。 それは自分を知ろうと内面を探り苦しむ姿に感情移入したのかもしれない。心で繋がっている旦那さん、人気作家という地位と仕事、羨ましいような環境なのに自分で築きあげてきたものを破滅へ追い込むような行動をとってしまう。そして破滅的な行動と自己分析を繰り返してる。まったく別の性格だし中村うさぎのような才能を持っている訳ではないのに、生きづらさを感じるところに「わたしも同じ」と錯覚してしまった。そしてあとがきの衝撃。大好きな本です。2017/02/03

12
考え過ぎじゃないかと思えるくらいの自己完結っぷり、いい味だなぁ、と。作者本人は自らを「面倒臭い女」と言っているが、ある意味かわいらしい女性なんじゃないかと思った。『身を削り魂を削って得た「金」は、もはや我々の「血肉」なのだ。』これには納得。なんといっても真骨頂は文庫版あとがき。なるほど、これが落とし前ってやつだな。2013/03/13

あさひ.a

8
文庫版あとがきが究極のオチになってる。結局誰も幸せになれなかったうえに、影響力故さらに不幸に巻き込まれた人もいたことに驚愕である。2017/10/05

hikarunoir

7
身近では「無茶な割に微妙」との向きが多いけど、ネタ作りでも己の業とここまで向き合うとは意外。共感は無理だが、多少身につまされる。2016/05/16

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