角川文庫 角川ソフィア文庫<br> 木田元の最終講義―反哲学としての哲学

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角川文庫 角川ソフィア文庫
木田元の最終講義―反哲学としての哲学

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  • サイズ 文庫判/ページ数 176p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784044086015
  • NDC分類 134.9
  • Cコード C0110

内容説明

ハイデガー哲学の核心を「反哲学の哲学」として読み解き、哲学を日本人にも身近な学問に生まれ変わらせた哲学者、木田元。若き日の焦燥と絶望の中で出会った『存在と時間』に魅せられ、ハイデガーを読みたい一心で大学へ進学。以後50年にわたる哲学三昧の日々と、その研鑽の果実としての独創的ハイデガー読解の誕生まで、現代日本を代表する哲学者が自身の生と哲学を語る最終講義。補説、「『存在と時間』をめぐる思想史」を併録。

目次

最終講義 ハイデガーを読む―於・中央大学文学部(1999.1.23)(大学に入るまで;ドストエフスキーに魅入られて;ドストエフスキー論 ほか)
最終講演 哲学と文学 エルンスト・マッハをめぐって―於・中央大学人文科学研究所(1999.2.25)(マッハとフッサール;マッハとゲシュタルト理論;マッハとレーニン ほか)
最終講義・補説 『存在と時間』をめぐる思想史(『存在と時間』という本;『存在と時間』とその時代;『存在と時間』とナチズム)

著者等紹介

木田元[キダゲン]
1928年生まれ。海軍兵学校、山形県立農林専門学校を経て50年に東北大学文学部哲学科に入学。同学部卒業後、同大学大学院哲学科・特別研究生課程に進学。東北大学文学部助手を務めた後、中央大学文学部専任講師・助教授を経て、72年より同教授となる。99年に定年退職後、同大学名誉教授に就任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おじいやん featuring おじいちゃん( ̄+ー ̄)

41
著者の最終講義というので買ってしまった。 何につけて終わりは私を叙情的な気分にさせてくれる。 私はそれを決して看過できない。 本著はハイデガーとマッハの講義である素人でもわかるぐらい明らかにさわりにしか触れていないこれで彼等の哲学に触れたといったら墓場で眠っているハイデガーとマッハに失笑されるだろうが敢えてなのだろう。本著は両者とも木田元の話の中の話題として収まっている。 主役は木田元なのだから ほとんど哲学の著には触れてないので中身も大変平易である。 哲学に人生を捧げた人間の最後のエッセイとして読もう。2017/06/03

シッダ@涅槃

19
図書館で半分ノリで借りた、文量的には薄っぺらい本である。しかし内容的には“反哲学”のプロレゴメナのような趣があって濃い。特にエルンスト・マッハの紹介は衝撃だった。急いで『マッハとニーチェ』読まねばなるまい。2023/10/08

禿童子

16
ハイデガーの読解に一生をかけた木田元教授の最終講義は意外性に富んだ興趣深いお話しでした。巻末の年表と著書目録は貴重。プラトン以降の西洋哲学が人間の「被造性」を重視してきたのに対し、ハイデガーは、ソクラテス以前のギリシャの「生成する」という見方に立ち戻る「反哲学」を掲げたというのが木田先生の見立てです。講義の末尾に古事記を持ち出して日本人にハイデガーへの親和性があると仰るのにはいささかギョッとしました。ハイデガー研究には新資料の発見など後代の変遷があることはよくわかりました。2017/04/01

武井 康則

14
中央大学を定年退職するにあたっての記念講演、最終講義に加筆したもの。「ハイデガーを読む」ではハイデガーとの出会い、ハイデガーについて。「エルンスト・マッハをめぐって」では最初の現象学者としての位置付けから、現象学そのものを取り上げている。補説では「存在と時間」の解説。講演なので詳細に深くとはいかないが、流れを捉えて違う観点から明確にしていく。ハイデガー、「存在と時間」をこれほど平易に語れるとは、すごい。ただ地道に読み続けた本当の力を見せてもらった。研究者として本当に素晴らしい方だったようだ。2020/06/29

Gokkey

12
木田元氏の著作12作目。哲学の著作はこれで最後になるだろう。他にエッセイ集や自伝があるが、これは少しずつ楽しんで読もう。本作は文字通り中央大学での最終講義の原稿をベースにしたもの。もはや過去の著作の繰り返しのような感じになってしまうが、驚くべきは最初の著作から研究の主たる目的が全くぶれていないことだ。氏が目指した人類の普遍知としての哲学があったらこそ、私を含め多くの人間が西洋哲学に触れる事を可能にした。残念ながら既に故人となられてしまったが、こんなに一人の人間の考えや仕事ぶりに惚れ込んだのは初めてだ。2020/01/25

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